明日にでも緊急事態宣言が解除される見込みのようです。
第2波以降が心配ではありますが、遅れている経済をできるだけ速やかに立て直さなければなりません。
でも、全人類がこういう経験をすると、解除されたからと言って、そっくり元の時代の生活に戻るというものではないと思います。
人と人とが触れ合うようなことは最少減にとどめるべきだというのは誰もが知ってしまいましたから、今までのように「とりあえずご挨拶して来い」的な出張は減るだろうということは容易に予測できます。
それ以外にもいろいろな会社や仕事場で、いろいろな人たちが苦しい思いをしましたから、その経験を活かして、次の時代へ向けて働き方そのものが変化していくことになると思います。
今まで当たり前だったことが、当たり前じゃなくなったのですからね。
そういう時にも世の中にはある一定の割合で変化を好まない人たちが存在します。
今まで当たり前だったことを、当たり前のようにこれからもやっていきたい人たちです。
そういう人たちは、今後、いろいろな場面で顕著になって来るでしょう。
例えば客商売であれば、世の中が変われば今までと同じ商品を、今までと同じ値段、同じスタイルで提供していたのではお客様がいなくなります。
だから、商売人はそういう変化に敏感に気付いて、違う商品を出すのか、違う値段にするのか、違うサービススタイルにするのかを当然のように考えるのです。
でも、お客様を相手にする商売にはサイクルというものがあります。
食堂のような日々の売り上げに変化が顕著に現われる商売ばかりではありません。
季節ごとの商売というのもありますね。
あるいは年度ごとの商売というのもある。
例えば、観光業界では、今はおそらくこの秋から冬にどういう商品が人気になるか、予測を立てて仕込みをしている時期だと思いますが、その仕込をするときに、去年と同じ秋冬商品では売れるかどうかわかりません。
だから、世の中の変化を事前に察知して、変わるであろう顧客嗜好に合わせた商品構成にしていく必要があります。
そういう時には反対意見が出てきます。
「もし、商品内容を変えて、売れなかったらどうするんだ。」
という人たちです。
確かに将来のことは誰もわかりません。
でも、だからと言って去年までと同じやり方で、去年までと同じ商品をこの秋冬に販売することはどうなのかなと私は考えます。
それが今回のコロナで人類が皆経験したことであり、「今までと同じ時代は戻ってこないだろう。」という予測です。
そういう予測を立てて、「では、どうしましょうか。」ということで新しい商品づくりをする必要があるのですが、「もし、商品内容を変えて売れなかったらどうするんだ。」という人たちは、とにかく将来が不安な人たちです。
将来が不安で、変化が不安で、どうなっていくかなど予測ができない。
だから、「今までと同じでやりましょう。」と言うわけで、そうすることで安心感が得られるからだと思います。
何らかの将来変化を予測して商品を出したものの、その商品が売れなかったら「失敗」ですから、責任を取らなければなりません。
でも、何も変更せずに去年と同じ商品を出して、もし売れなければそれは失敗ではないし、自分の責任ではないと考えている人たちは、こういう言い方をするものです。
でも、何も考えず、何も手を加えず、去年と同じ秋冬商品を企画して売れなかったら完全に失敗であり、その人間に責任がかかってくるのは、変化に対応した商品を出して売れないのと同じか、それ以上に重い責任があると私は思います。
なぜなら、サイクルが長い商品ほど結果が出るまでに時間がかかりますから、やっぱり違っていたとわかった時には多くの時間が無題になっていることが多く、サイクルが長い商品ほど途中で修正や変更が効かないものが多いですから、取り返しがつかないかもしれないからです。
では、なぜそのような人が一定割合で存在するかと言うと、将来予測ができないからです。
今後どうなっていくのかが予測できないんです。
誰だってそうですよね。
それが世の中であり、生きていくということなのですが、想像力の欠如なのか、ネガティブ思考なのか、安全志向なのかはわかりませんが、とにかく変化をすることが怖い。
だから何もしない。
でも、そういう人たちは、今の時代には少なくともこれから会社をどうやって切り盛りして行こうかというような役にはふさわしくないことだけは確かです。
自分の人生にはっきりとした将来設計を描けないだけであるだけならともかく、会社の幹部だとしたら、そういうビジョンのない人には今の時代はお引き取りいただかなければなりません。
これが、つまり、よく言われているアフターコロナで淘汰される人々と言うことになるでしょう。
会社の中だけではありません。
世の中全体を見渡しても、ある一定の割合でそういう人たちがいると思います。
例えば、レストランや喫茶店、居酒屋さんなどの飲食店。
当分の間は3密を避けなければなりません。
でも、座席数を減らしたら当然売り上げが減ります。
同じ売り上げを確保するためにはスペースを広げなければなりません。
では、スペースを広げるとどうなるか。
家賃が高くなりますね。
八方ふさがりです。
では、どうするか。
商売人というのは変化に強く、たいていのことにはへこたれず、いろいろと考える人たちですから、そうですね、私だったら店の前の歩道にテーブルといすを出して客席にします。
隣の駐車場のスペースをつぶして座席を作るかもしれませんし、屋上を開放するかもしれません。
雨が降った時のためにテント村にするかもしれませんし、冬なら寒さ対策に薪ストーブでも置くでしょう。
そうすることで、同じ家賃でも客席数を増やして売り上げを確保できるだけでなく、他店との差別化もできますからね。
でも、そうやって新しいことをやろうとすると、
屋外での飲食店の営業許可は?
消防法はクリアしているの?
道路交通法に違反してるんじゃない?
消費税はどうするんだ?
などと言い出す人たちが必ずいます。
特に、許認可行政にかかわる人たちです。
そういう人たちは、決められていることを決められた通りにやっていくのが仕事ですから、今まで通りのことを今まで通りにやっていくことが仕事だと思っていますし、厄介なことにそういう仕事に権力を持っていますから、おそらく、これから世の中が変化していくにつれて、一番のネックになる、つまり社会全体の障害物になる可能性があります。
国が、「日本は変わらなければ外国に負けてしまいます。」と声高に行っている時に、行政の出先機関の人たちがヘンテコな使命感と責任感で一生懸命ブレーキを掛けることになる。
企業がフレキシブルに変化をして生き残っていこうとしている時に、会社の中と会社の外で一生懸命ブレーキを踏んでいる人が出てくることが容易に予想できるのが、明日以降の緊急事態解除後の経済の回復過程だと私は考えます。
例えば、トキめき鉄道は鉄道会社です。
でも、レトルトカレーを作っています。
動画配信もしています。
マスクも作りました。
今度は缶詰に挑戦です。
それも、食品じゃない缶詰です。
「何で本業でもないことをやるんですか?」
そういうことを私に言ってきた人は現時点で一人もいませんが、もしかしたらこういうことをやっていく中で、いろいろなことが見えてくるかもしれません。
社長になって2か月で台風災害で運休
5カ月でコロナ。
笑っちゃいますね。
でも、私は全然へこたれません。
なぜなら体は堅いですが、思考回路はフレキシブルですから、「何でも有り」の混乱の世の中を泳ぐ術は多分持っているんだと思います。
だから、今のうちに、いろいろなものが見えてくることも大切な仕事なのです。
良いですか、皆さん。
今まで当たり前にやってきたことが、当たり前じゃなくなる。
ということは、とても不安なことです。
でも、だからと言って、今まで通りに今後も同じスタイルで仕事をしていくことは許されません。
この期に及んでそんなことを言っているようであれば、アフターコロナで淘汰されるリストにノミネートしてくれと自分で言っているのと同じことなのです。
さあ、楽しい時代がやってきますよ。
明日から。
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