富の創造

毎日生活しているといろいろなことに出会います。

いろいろな人からいろいろなことを言われたり。

そういうことが蓄積してくると、いろいろな迷いを生じることがあります。

「自分がやっていることは正しいのだろうか。」とか、「もしかしたら大きな間違いをしているのではなかろうか。」など、不安になることがあります。

そういう時は、私は原理原則に戻って考えることにしています。

 

ということで本日は経済の原理原則である「富の創造」のお話です。

 

皆さんにとって、富とはなんでしょうか?

英語で言うとフォーチュンですかね。

金銀、財宝、お金が富だと考えている人も多いと思います。

一生懸命働いて、できるだけ多くのお金を稼いで、家を買って、旅行もして、不自由ない生活ができる。

だから、富とはお金だという人も多いでしょうね。

でも、私はそうだと思っていません。

 

学校で経済の勉強をした人たちでしたら覚えていると思いますが、大航海時代にスペイン人やポルトガル人は世界中を回って金銀財宝を略奪しました。日本に鉄砲が伝来した時代です。

このころ特にアフリカ大陸から金銀を持ち帰ったスペインやポルトガル人たちは、どうしたでしょうか?

金銀はいくらあってもそれで飯を食っていくことはできないわけで、当然、他のものと交換する必要が出てくるわけです。

交換する品物が食料だけでなく、領地であったり、建物であったり。

そうなると、生産力が限られていた時代は交換する品物が限られますから、金銀を略奪して持ち帰れば持ち帰るほど、交換するために必要な金銀も多く必要になります。つまり、金余りであり、もの不足であり、これがインフレという現象です。

そうなると一生懸命働いて、富を蓄積しようと思って、お金を貯め込んでも、そのお金自体が目減りしていきますから、意味がないということになります。

 

金銀があれば何でも手に入る。

大航海時代のスペイン、ポルトガルがそうだったように、今の日本も同じですよね。

だからみんな一生懸命働いて稼ぐことが最良だと思っています。

そのために一生懸命勉強して良い学校へ入ったり、資格を取得したり、長年にわたって大変な努力をされていますね。

でも、私は違うと思うのです。

なぜならば、その大航海時代というのは、今から400年も500年も前の話ですからね。

 

そういう大航海時代の経験を踏まえて、人類というのは少しずつ進化してきました。

 

つまり、金貨があればワインが手に入るのであれば、ワインがあれば金貨が手に入るのです。

 

こう言ったのが今から200年ぐらい前のアダムスミスというイギリス人。

 

学校で経済を勉強した人でしたら聞いたことがある名前ですね。

 

みんなが欲しいものを買うために一生懸命お金を稼いで、その稼いだお金で欲しいものを買っている姿を見て、アダムスミスは、だったらみんなが欲しがるもの生産することができれば、お金が手に入るでしょうと言ったのです。

そして、このみんなが欲しがるものを生産するということが富を作り出すということ、すなわち富の創造なのです。

 

どういうことかと言うと、大切なのはお金ではなくて、お金を稼ぐとこができる手段や能力を持っているということであって、そういう手段や能力があれば、お金は手に入るということ。一生懸命勉強したり努力したりするのは何のためかというと、お金を稼ぐ手段や能力を手に入れることなんですね。だから、それは何も勉強だけじゃなくて、良い学校へ行くだけじゃないということなのです。

 

だとすれば、今の時代は多様性の時代ですから、たとえ勉強が苦手であっても手先の器用な人や運動が得意な人もいるでしょうし、人に親切で思いやりがある人もいますから、そういう人たちが、みんながお金を払いたくなるような仕事や商品を提供することができれば、生きていくためのお金を稼ぐなんてことはいくらだってできるとても良い時代だと私は考えています。

 

(つづく)