ローカル線はなぜ廃止になるのか。

本日でJR北海道の石勝線・夕張支線が廃止されました。

YAHOOニュースを書いてみましたので、ご一読ください。

泣いても笑っても今日で最後。廃止される夕張支線の1鉄道ファンの記録。

100年以上も歴史がある鉄道が、何の可能性にもチャレンジしないまま、いとも簡単に廃止されていく。
その理由はなんなのでしょうか?

利用者が少ないから?
少子高齢化?
モータリゼーション?

本当でしょうか?

私は第3セクター鉄道を9年も預かってきましたからよくわかるのですが、上記理由は全部違います。

なぜなら、夕張支線16㎞を維持するのにいくらかかるかという議論は誰もしていません。
JR北海道は路線ごとの信憑性のある細かい数値を発表していませんが、16㎞を維持するための年間の路盤の維持管理費は、JR社員の高い人件費を基準にしてもせいぜい5000万円程度でしょう。

年間400億円とも500億円ともいうJR北海道の赤字を解消するためには、夕張線を廃止にしたところで全く効果はありません。
ではなぜ廃止にするのか。
それは、今後、日高本線の不通区間、札沼線、留萌本線、根室本線、あるいは今後顕著になるであろう函館本線の山線(小樽-倶知安-長万部間)などの線路を廃止するための布石にするためです。

「JRの言うことを聞いて廃止にすれば、手厚く面倒を見ますよ。」

そういう甘い言葉に歴史も何も知らない若い市長が独断でコロッとOKしてしまったんです。


▲廃止された夕張線清水沢駅と廃止した市長が北海道知事に立候補する選挙ポスター。

そして、その市長は誰が選んだのか?

夕張市民じゃないんですよ。
市長を選んだのは夕張市民ではない。
無投票なんです。

そういう無投票で選ばれた人間が、何もチャレンジすることなく簡単に線路を廃止する。
そして、その自分が決定した線路の廃止を見届けることなく、今度は北海道全体の舵取りをするんですよ。

北海道全体の鉄道がどうなるか、大事な大事な過渡期にある今、この時期に、
無投票で選ばれて、何のためらいもなく夕張線を廃止に導いた市長が、今度は北海道全体の鉄道の指揮権を持つわけです。

こういうことで良いのでしょうか?

これが私の皆様に対する問いかけです。

いすみ鉄道のような第3セクターは、生きるか死ぬかを決定するのは地元の市町と県です。

ムーミン列車もやめるし、レストラン列車も売りに出ています。
「誰かやる人いませんか?」ってね。
やる人がいなければ「やめます」が民意になるんです。

これは新社長が決めたことではありません。
11月に就任した新社長がわずか数カ月で決められることではありませんから。
県の上の人間が沿線市町の無投票という名の民意で選ばれた首長たちに提案して、「異議な~し。」で決まったことなのです。
そして、夢と希望を描いてやってきた公募社長にその責を負わせるのです。

つまり、こう言う人たちが、せっかく息を吹き返したローカル線の火を消すような行為をしている。
これが、ローカル線をダメにする構図です。

私はそういう構造をつぶさに見てきましたから、今、県会議員選に地元の候補者を応援しているのです。

私の代弁者を分身として県議会に送り込むためです。
千葉県のことですが、実は千葉県だけでなく日本全国共通のことなのです。

なぜならいすみ鉄道は日本全国のローカル線に影響を与える存在になったからです。

私は人物本位主義です。
この方は、人物として本当に素晴らしいと思います。

北海道の人はちょっといただけませんが、橋岡さんは私達の意をしっかりと県政に届けてくれる人です。
いすみの地元では無投票でしたが、とても幸運なことに、ローカル線をしっかりと理解してくれている鉄道ファンの小路さんが県議になりました。
これは本当に地域にとってはラッキーなことだと思います。

そういう人たちを県に送らなければ、どんなにお客様に支持されても、地元の人たちや地域外の人たちが「良いですねえ。」と言ってくれたとしても、ローカル線は廃止になる。
そして、日本の田舎が全部ダメになるのです。

これがこの国の構造です。

皆さん、しっかりと地元の政治に参加しましょうね。

ローカル線を守るのは、そういう方法が一番手っ取り早く効果があるのです。

思い出の夕張線が消えた晩。
ちょっと熱くなってしまいました。

鉄道ファンの皆様方はぜひ投票に行って欲しいと思います。

その行為がすべての始まりですから。