台風21号の爪痕

大きな台風が過ぎていきました。

 

直撃を受けた四国から関西地方の皆様、被害はございませんでしたか。

 

テレビのニュースでは建物の外壁が崩れ落ちたり、看板が飛んだり、車が横転したり、または水没したりと、かなり衝撃的な映像が放送されています。

関西地方ではかなり早い段階で交通機関の運転を取りやめたり、デパートなどの商業施設がお休みになったり、学校が休校になったりしていたようですが、判断としては懸命だったと思います。

 

今の時代は、鉄道輸送も都市機能も、すべてが通常通り機能するという前提で運営されていますから、その機能が阻害される恐れがある場合、早めの対策が必要だということですね。

 

でも、関西空港の状況はひどいものがありますね。

高潮で、空港全体が水浸し。

唯一の交通機関である連絡橋も船がぶつかって破壊されました。

どうするんだろうか?

元航空関係者としては、途方に暮れる出来事です。

 

BCP(災害時業務継続計画)に連絡橋破壊、当面復旧のめど立たず。空港内水没、地上援助設備使えず。航空機塩害。などというのはないと思います。

だいたい、こういう時は飛行機は遠くの空港に避難させると思うのですが、なぜ空港内に駐機しておいたのでしょうか。

1mの水位というと、LCCの小さな飛行機ならエンジンに水が入る高さですから、「う~ん」。厳しいなあ。

 

空港の管理を国ではなくて民間がやっているということは、空港の被害が日本経済に与える影響などということは、空港管理会社には関係ありませんから、まあ、ひと言で言えば、国がインフラに手を抜いたしっぺ返しが来たと言えるのでしょう。

建設から始まって、日本初の民営化空港ですから、コストを絞って、できるだけお安く作ったツケが、開港から24年が経過した開港記念日にやってきたと私は考えます。

 

でも、そういうことは上の方で考えていただければよいことで、私が気になるのは、空港で働く職員の皆様方のこと。

連絡橋が破壊されてしまったわけですから、3000人のお客様が缶づめになっているということですが、スタッフだって数百人は缶詰になっているはずです。彼らは、接客サービスの最先端で、身を粉にしてお客様対応をしているはずです。

空港スタッフばかりではありません。鉄道会社のスタッフだって、こういう時はお客様対応に追われて、てんてこ舞いのはずです。

中には罵声を浴びせるような、下衆もたくさんいますからね。

そういう環境の中で、偉い人たちは皆さん机に向かっているだけという会社でしょうけど、現場の皆様方は、一生懸命接客対応に当たられていらっしゃるわけで、私は本当に大変なお仕事だと思います。

自分もさんざんやってきましたからね。

だから、よくわかるんです。こういう時の現場の状況が。

 

皆様、本当におつかれさまです。

 

一般の皆様方も、こういう時は駅員さんや乗務員さん、空港職員の皆様を、どうか温かな目で見たいただいて、できれば、「おつかれさまです。」「頑張ってくださいね。」などと、優しい声をかけてあげてください。

 

もともと、交通機関で働こうという人たちは、使命感の強い人たちですから、皆様方の暖かなひと言で、さらに活力が出ると思います。

 

第一線で働く交通機関の現場の皆様。

 

本日もお疲れ様でございました。

 

明日もがんばりましょう。

1 個のコメント

  • 北海道は台風が通過し、震度6強の地震。関西は水害。インフラもそうだが、農業打撃も大きい。
    このままで日本、大丈夫かな。