トンボと毒マムシ

昨日の晩、お休みで久しぶりに何時間もテレビを見ていたら、おやっと思うことが2つありました。

 

1つは山口県で行方不明になっていた2歳の男の子が無事に発見されたというニュース。

大分県から駆け付けたボランティアのおじいさんが、その行方不明だった子供を発見したということでマスコミのヒーローになっていました。

2歳の子供が2日間何処にいたのか? 夜はどうしていたのか? などなど、いろいろ不可解な点があるニュースで、周囲の人が捜してなかなか見つからなかった子供が、外部のおじいさんが捜してどうしてすぐに見つかったのか、なんだかおかしな状況ではありますが、何はともあれ無事に見つかってよかったですね。でも、ボランティアのおじいさんをマスコミは持ち上げすぎの感があって、おじいさんも言われるがままにインタビューに答えていて、まあ、うれしかったんでしょうね。子供が無事に見つかって。

マスコミの持ち上げ方ってどうかなあと思っていたんです。そうしたら、そのインタビューを受けているカメラの前で、おじいさんの手にトンボが止まったんです。これは不思議な光景でしたね。

もちろん偶然かもしれませんが、撮ろうと思っても撮れるものではありませんから。

何か、オーラが出ていたのでしょうか。

私利私欲を捨てて、無私の心で奉仕しているとすれば、トンボはそういうことをわかっていたのでしょうか。

事件の不可思議さとマスコミの取材がどうもいま一つな分だけ、なんとなく微笑ましく見えた瞬間でした。

 

その後、深夜のBSの「深層ニュース」で。

この番組はいすみ鉄道も出させていただいた番組なんですが、ゲストで毒蝮三太夫さんと檀蜜さんのお二人が出演されていて、二人の死生観を1持間にわたって語っていました。ちょうどお盆と終戦の日だったからだと思いますが、毒蝮さん、しばらくぶりにお見かけしましたが、以前と変わらない風貌で、毒舌も以前のままなんですが、すでに82歳だそうで、近い将来自分が死ぬという前提でいろいろ語っておられる。彼は昔から、そう40年も50年前から老人をギャグに使って大人気でしたが、今、自分がその年になっているということと、82歳で東京出身ということで、当然空襲や焼け跡の思い出もある。そういう彼が、いろいろと思い出を語っているのですが、その中で印象に残ったのは東京の災害のこと。自分の両親から聞いた話では、東京には大洪水があって水浸しになり、その後関東大震災で焼け野原になって、東京大空襲と、わずか30年ぐらいの間に3回も大災害や戦災に見舞われている。その東京が、70数年平和になっているということは、たまたま平和なだけかもしれない。と言っていました。

確かにそうかもしれませんね。

今、当たり前のようにあるものは、10年前、20年前、30年前は当たり前ではなかったのですからね。

 

彼流の毒舌で、「ババアは佃煮みたいになっても元気だから大丈夫。問題なのはジジイの方だよ。ジジイは一人になるともういけない。何とかジジイに元気になってもらわないと。」

確かにそうかもね。

平均寿命が女性の方が長いから、どちらが残るかと言えば女性が残るというのが世の常なんだろうけど、ジジイに限らず、おっさんたちだって、独居時代ですから、一人にしておくのはあまりよくないかもしれませんね。

私がいすみ鉄道でやってきたことって、おじいさんやオジサンたちを元気にすることを目指してきたけれど、これからの時代は、そういうことが社会的需要になるのだろうと、毒蝮さんの話を聞いていて、なんとなくぼんやりと思いました。

 

「年を取ったらチャーミングなジジイにならないとダメ。」

気を付けてないと、口うるさい爺さんになって、嫌われるだけだから。

50年以上年寄りと付き合ってきて、今、その年寄りになっているご本人がそういうのですから、意外と真実なのかもしれません。

 

子供を助けた手にトンボが止まったおじいちゃん。

 

確かにチャーミングでしたね。

 

昨夜は久しぶりにテレビからいろいろ気付きを与えてもらった晩でした。

 

おじさんたちが集まるサロンでもやろうかなあ。

でもダメだろうなあ。おじさんたちはお金もってないからね。

ビジネスとしては成り立たないだろうけど、何かいい方法はないのかなあ。

そう思う今日この頃でございます。