日本人の皆さんは、神社仏閣にお参りする方が多いと思います。
「困ったときの神頼み」ではありませんが、別に困っていなくても神様の前で手を合わせて願い事をする人ってふつうですよね。
私もその一人ですが、実は私はあまり願い事はしないのです。
ではなぜ神社仏閣に出向いて手を合わせるかというと、個人的な願いや希望を持たずに手を合わせると、不思議なことにいろいろ気付きを与えてもらえることが多いからで、そういうことって、つまりは何となくスピリチュアルというか、尊いことのように思えるからです。
でも、中には不思議なパワーを持っている神社仏閣があるというのも実は本当のことで、そういうところにピュアな気持ちでお参りすると、不思議な力を与えてもらったり、霧がかかっていた目の前に道が急に開けたりするということも、経験上あるのです。
ということで、本日はその神社仏閣のパワーの話なんですが、その一つがいすみ鉄道国吉駅から歩いて10分のところにある国吉神社、上総出雲大社です。
実は私、2009年にいすみ鉄道の公募社長に就任してすぐに、国吉駅の近くの苅谷商店街のヨシダさんに町の中を案内していただきました。各商店を訪ねてご挨拶をさせていただいたのですが、その時に、ヨシダさんが「社長、この先に出雲大社がありましてね。」と教えてくれましたので、連れて行ってもらったのです。
町はずれにあるうっそうと茂った森の中にある神社で、氏神様である国吉神社の境内の中に、出雲大社がありました。どちらかというと寂しい場所で、ふつうの人が見たら、さびれた神社だったんですが、正直な気持ちとして私は「ここは良いところだなあ。」と思いました。そして、せっかく来たのだからと思ってお参りをしたのです。
私はいつもお賽銭には500円を投げることにしています。
たまたま500円玉がないときには100円だったりするのですが、その時もポケットから500円玉を出して賽銭箱に投げ入れました。
それを見ていたヨシダさんが、「社長、500円ですか? ずいぶん弾みますねえ。」とおっしゃいましたが、
「5円玉とか10円玉で願いをかなえようなんてちゃっかりした根性は、神様はすべてお見通しですから。」と答えました。
後で知ったのですが、当時の出雲大社はほとんど無人で、時々賽銭泥棒が起きるような、どちらかといえばうらぶれたところで、ヨシダさんとしては、せっかく500円を入れたとしても賽銭泥棒に恵んでやるだけだと思われたのも当然だと思います。
とにかくそのぐらい寂しいところで、人が寄り付かないところだったんです。
でも、私は考え方を変えてみて、自分が賽銭泥棒だったらどうだろうかと考えたんです。
危険を冒して泥棒に入って、賽銭箱にお金が入っていなかったらどういう気持ちになるだろうか。
「チクショー!」と思うだろう。
そうしたら、神社の建物に火を点けられるかもしれない。
だったら、500円ぐらい入れてもよいのではないか。
泥棒が「おっ、ラッキー」って思って、黙ってそのままいなくなってくれれば、神社にとってはありがたいことだろう。
そんなこともあって、思い立っては出雲大社に足を運んでお参りをしました。
あの場所は、なんとなく足を運びたくなるような気になる場所だったんです。
それからどうなったかというと、いすみ鉄道はみるみるよくなって、いろいろなご縁もいただき、結果として今のようになった。
私はそう信じているのです。
でも、このブログをお読みいただいてる皆様からしてみれば、それは私の思い過ごしであり、何の証明にもなりませんよね。
ですから、今日はそこから先の話。
今から4年ほど前、そのヨシダさんから「実は社長に折り入って相談があるのですが」と言われました。
そしてある晩、ヨシダさんのところを訪ねてみると、地域の皆様方が集まっていました。
「おやおや、皆さんお集まりで」とお話しをお聞きすると、出雲大社を存続させることが難しくなってきたというのです。
その理由はご多分に漏れず高齢化で、もともとお寺でいうところの檀家さん、出雲大社の場合は信徒さんというのですが、10件ほどで守って来ていたそうで、いよいよ信徒さんとしての活動ができなくなってきたというご相談でした。
「このままでは壊さなければならない。社長さん、何か良い方法はありませんか?」
そういう相談でしたが、こういうことはいすみ鉄道社長である私の仕事ではありません。
でも、地域の皆さんの願いでもあり、いすみ鉄道を元気にしてくれたのは大社様のおかげであると私も心底そう感じていましたので、「では、私の方で情報発信してみますから、壊すのだけは取りやめにしてください。」ということで、社長ブログで紹介したり、本家の島根県の出雲大社の地元を走る一畑電車さんにお願いして、両方の出雲大社駅入場券のコラボ切符を発売したり、大みそかに終夜運転を行ったりして、参拝のお客様を増やそうといろいろやってみました。
これが、いすみ鉄道を存続させてくれたお力をいただいた大社様に対して私ができる恩返しだと考えたのです。
つい先日、7月の終わりのことですが、いすみ市の観光会議で出雲大社の管理をされている国吉神社の宮司さんにお会いしました。
その会議の席上で宮司さんがこうおっしゃられました。
「わずか数年前までは、初詣の参拝客は数十人でした。でも、今年のお正月は元日だけで1万人の参拝がありました。本当にありがたいことで、その参拝の皆様方のお賽銭で、出雲大社の本殿の屋根の吹き替えができるようになりました。」
それまでは取り壊そうかどうか検討していた大社様が、わずか数年で屋根の吹き替えをして見違えるようになりました。
これは紛れもない事実です。
その経緯を知っている地域の皆様は私に気を使ってくれて、「社長さんのおかげです。」なんて言ってくれますが、私の力でもなんでもないんです。
これが出雲大社のパワーなんです。
だって、他人様の願いをかなえてくれる神様ご自身が、みすぼらしくて朽ち果てるようであれば、誰も信心しないでしょう。
やっぱり、パワーがあるとすれば、それなりであるはずで、そうでなければ信用されませんよね。
それを神様ご自身が証明して見せてくれたんです。
国吉神社の境内にある正式名称、出雲大社上総教会というところは、そういう力を持ったところであると、神様ご自身が証明した。
これが私が見てきた上総出雲大社なのです。
すごいですよね。
神様がご自身で御利益(ごりやく)があることを証明したのですから。
この神様のおかげで、いすみ鉄道も全国区になりました。
縁結びというのは、何も男女の仲だけの話ではないんですよね。
私も大社様からたくさんの御縁をいただいたと信じております。
私個人の力など大したことはありません。
いすみ鉄道が全国的に奇跡のように思われているのは、やっぱり大社様のおかげなんです。
いすみ鉄道応援団の中で、この話をしたら、「俺も本当にそう思う。」「私も」という人が数名いました。
「さては、お前ら、うまく行ってるな。」
なんて思うのは、爺の勘繰りですね。
とにかく、国吉駅から徒歩10分の大社様は、そういうところなのであります。
なにしろ、神様ご自身が御利益を証明されたのでありますから。
皆様も、ぜひお越しください。
ただし、お賽銭は奮発しないとだめですよ。
縁結びだから「5円」だなんて言っているようでは御利益などありません。
神様はすべてお見通しですからね。
ちなみに私は昨日は1000円札を奮発しました。
なぜなら、500円玉がなかったからですが、1つだけ皆様方にアドバイスするとすれば、
「信ずる者は救われる。」
ということなのでごさいます。
こんなにきれいになりました。
私はうれしくてたまりません。
そして、これが現実なのです。
神様がご自身で御利益を証明された今の日本でも数少ない例です。
さあ、皆さん、いすみ鉄道に乗って国吉へ GO!
信ずる者は、救われる!
なのでございます。
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