インターネットの記事ですが、JR北海道が明日から引退する特急列車キハ183形の記念入場券を発売するらしい。
これを読んで私は「う~ん」とうなりました。
実にすばらしい。
もちろん、入場券そのものの話ではありません。
商品としての話です。
記念切符というのは基本的には鉄道ファン向けのものでありまして、つまりは限定品が多いのですが、もちろんこの入場券も限定品ではあるのですが、枚数限定でも、期間限定でもなく、発売箇所が限定されていること。
そこへ行かなければ買えないという商品です。
そりゃあ入場券ですから、その駅のものではありますが、この特急車両がはかつて走っていた路線の列車名のヘッドマークという地域ごとの絵柄を、その走っていた路線の駅で販売する。
実に秀逸なストーリー展開です。
何しろ北海道中17の駅で販売するとあっては、行かなければならない。
金額は170円で、大したことはない。
でも、その駅まで行くということが、大切だということですね。
「発売枚数の限定は行いません、一時的に品切れとなる場合があります。」
ってのも憎いですねえ。
「何枚か買って、応募券を集めると、抽選で実際に車両が装着していた行先方向幕や前面愛称幕がもらえます。」
ってのも素晴らしい。
何しろ、応募券の枚数によって、もらえる「幕」がいろいろあって、だんだんとハードルが上がっていくわけで、これは集めて見たくなります。
そして、そのプレゼントというのが、廃車の車体から脱着した使用済みの方向幕をカットしただけのものですから、つまりは原価ゼロ。
こういう商品をきちんと展開できるチームが、あるいは人が、JR北海道にはいらっしゃるということなのです。
そう思いませんか?
昨年発売した「わが町ご当地入場券」というのが、実は30万枚売れたらしくて、そういう需要があると気づいた会社が第2弾として展開するもののようですが、柳の下のドジョウにならないように、きちんとストーリーが付いた商品展開になっている。
この会社は、まだまだ隠されている力が眠っているなあ。
まだまだ可能性があるじゃないか。
そう思わせる、秀逸な商品がコレだと、私は思いました。
ただ、ひとつだけ気になるのが、0001の番号の切符は、キハ183系の保存活動にご尽力されている安平町に贈呈しますってところで、何をけち臭いことを言ってるんだ、と感じます。
入場券など贈呈するんじゃなくて、どうせ贈呈するなら、キハ183系特急列車そのものを1編成丸ごとそのまま贈呈しちゃいなさいよ。1編成だから走らせて届けちゃえば輸送費だってかからないし、追分の構内に置いておけば動態保存もできるでしょう。
何しろこの車両を保存したいというグループの皆さんは、クラウドファンディングをやってお金を集める熱意があるのですから。
そして、1両分はすでに集まっていて、今、2両分が集まろうとしているのですから、4両でも5両でも、1編成そのまま丸ごと差し上げちゃいなさいって。
1編成そのまま残しておけば、数年後に経営改善できたあかつきには、再整備して復活運転させることだって十分に可能なのですからね。
ということで、今日は久しぶりに良いニュースを耳にして、うれしい限りです。
明日、さっそく、東室蘭の駅で買いますよ。
キハ183系保存のためのクラウドファンディングは こちら
最低でも2両行きましょう!
キハ183系「北斗」 撮影:黒崎龍彦氏
丸ごと、ど~んと行っちゃいましょう!
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