保安検査場でのトラブル。

前回は保安検査場に15分前までに来なかったお客様が、それを理由に飛行機に乗せてもらえなかったというお話をしました。

 

この航空会社は最近どうも唯我独尊で、自分たちが規則であり、自分たちが常に正しいと考えているのではないか、というイメージを受けるようになりましたが、この航空会社の名誉のために申しあげるとすれば、こういうトラブルは何もこの航空会社だけではなくて、私がいつも利用している航空会社でも日常茶飯事に発生していると思われます。

ただ、私が目撃したのがこの会社のこういうシーンだったというだけで、だからと言って私がいつも利用している航空会社は、きちんと連携が取れたサービスをしているかというとはなはだ疑問です。

 

実際に私の身にも降りかかったこともありますが、その日はこんなことがありました。

 

羽田空港での出来事です。

私が保安検査場に到着したときは、出発時刻の15分前を1~2分過ぎていた時刻でした。

保安検査場の機械にカードをかざすと、変な音がして、通行を止められました。

「お客様はすでに時間を過ぎていますので、お通しすることはできません。」

保安検査の係員にそう言われました。

その時の私は、「はあ、そうですか。」と言って、それ以上は何も言いませんでした。

私は飛行機に乗り遅れるなんてことはしょっちゅうで、そういうときのために変更ができる切符をわざわざ高い金額を出して買っているわけで、その時も別に次の便でも良いか、と思っていたものですから、黙って立ち止まりました。

すると保安検査場の係員が電話で連絡して、ほどなく航空会社の女性職員がやってきました。

この時点で出発の10分前。

ゲートは12番とか14番でしたから、保安検査場を出てから程ないところです。

 

私は上級カードホールダーだし、その検査場は上級会員専用のところでしたが、それだからかどうかは知りませんが、航空会社の女性職員は、

「次回はもう少し早めにお越しください。」と言って私を通してくれました。

私は「すみません。ありがとうございます。」と言って、保安検査場を通りましたが、通過して出発ゲートの前まで来たときに私は自分の目を疑いました。そして、急に怒りが込み上げてきたんです。

 

私の乗る便のゲート前には人だかりがしていて、しきりにアナウンスをしていたのです。

 

「○○行は使用する飛行機の到着が遅れました関係で、出発が15分ほど遅れる予定です・・・・・」というアナウンスです。

 

実は飛行機が遅れていて、その時点ではまだ搭乗が始まっていなかったんです。

出発時刻が遅れるのであれば、保安検査場15分前もへったくれもありません。

お約束の15分前を数分過ぎたために通せんぼされて、職員を呼ばれて、説教をされて、謝って、やっとたどり着いた搭乗口で、「使用機到着遅延のために出発が遅れます。」とアナウンスしているのですから、馬鹿もほどほどにしろ、という感じです。

 

つまり、出発時刻を遅延設定するのであれば、保安検査場の通過だって遅延設定しろ。

と言うことです。

 

ゲートと保安検査場とチェックインカウンターの連絡が全くできていないということですね。

 

航空会社のコンピューターと言うのは、私が知る限りですが、予約のモードと空港のチェックイン(コントロール)モードの2種類があって、通常空港ではチェックイン(コントロール)モードを使用しています。到着便が遅延して出発便が遅れるようであれば、コンピューターに出発時刻の変更をセットします。すると、すべてインフォメーションが変更されるのですが、10分15分程度の遅延では、空港内の表示などを含めたインフォメーションの変更はせずに、出発時刻はそのままで、搭乗口でアナウンスを流すことで対応することが多いのです。

そうする理由は、できるだけゲートにお客様を集めておきたいからで、遅延設定すると、それを見たお客様が、「ああ、遅れているんだ。」とのんびり構えられて搭乗口になかなか来ない可能性も出てきてしまうからなんですが、そういう内部事情をすべて踏まえたうえで、だったら保安検査場ぐらいは通せよと言いたい。

航空会社の職員は「大丈夫ですよ。どうぞごゆっくり。」と言えばいいものを、「次回はもう少し早めにお願いします。」などとおやじ相手に説教を垂れる必要などないわけです。

 

ではなぜ航空会社はそこまで定時出発に躍起になるのか。

それは、LCCが台頭してくる中で、使用する飛行機も同じ、所要時間も同じ、違うのは値段だけというのが現実ですから、差別化するためには「定時出発率」であったり、「就航率」であったりと、そういう目に見える数字を掲げる以外に値段の差ほどサービスに差が見られないことが原因なんです。

だから、LCC以外の航空会社は最近躍起になってON TIMEにこだわっているわけで、お約束の時間に保安検査場を通過しないとか、お約束の時刻に搭乗口に来ない、と言う理由だけで、平気でお客様を飛行機に乗せないなんてことが起きるということなのです。

 

赤組、青組関係なく、こういうことが発生するのが今の航空会社の事情なのでありますが、そんなこと言ったら新幹線や特急電車だって、発車時刻を1分過ぎたら、お客様が乗る乗らないにかかわらず、すでにホームに列車の影はありませんから、まあ、どこかで線を引かなければならないということなのでしょう。

 

ただし、ひとつだけ申し上げたいのは、いつもふつうに乗っている人が、乗り遅れたりするということは、そのお客様にはそれなりのバックグラウンド(理由)があるということで、遅れてくるような事態が発生するということは、その人にとっては尋常ならぬことがあったということですから、つまりはその瞬間そのお客様は「弱者」になっているということです。そういう時にそういうお客様にどういうサービスを提供できるかということが、本当の意味でその会社のサービスの質が問われていることだと私は考えております。

 

だからと言って、いすみ鉄道がそんなに良いサービスだということではありませんので、「社長のお前が偉そうなこと言ったって、お前のところの職員は適当なサービスをしてるじゃないか。」と言われるかもしれません。

確かにそれはその通りでございますので、その点は、あしからず。

ということになりますね。

 

次回は、セキュリティの盲点についてお話ししたいと思います。