昨日の日経新聞

 昨日の日経新聞千葉版に掲載していただきました。

この記事にも書いていただいてますが、私は小学生のころから東京の池袋が遊び場でしたから、田舎に対する憧れがとても強いものがあります。当時は蒸気機関車が大ブームで、蒸気機関車が走る田舎の情景は、私にとってはとても価値があるものなんです。
蒸気機関車が消えたのは40年も前の話ですが、ローカル線というのはノスタルジーという点では、当時の蒸気機関車と同じものがあって、そういうローカル線が走る田舎の町のシーンは、都会人にとってはとっても憧れるものなんです。
だから、田舎は、その部分で十分に勝負ができる。
ローカル線が走る田舎の町は、それだけでアドバンテージがある。
これが私がいすみ鉄道を引き受けた理由です。
単なる地域交通としてならば、人口が1万人を切った町であれば、バスで十分なんですね。
でも、考えなければいけないのは、「なぜ人口が減っているのか。」ということと「どうしたら人を呼べるか。」ということ。
そのツールとしてローカル線は使えますよ。だから、大切にしましょうよ。というのが、私が6年間一貫してやっていることなのです。
「桃栗3年柿8年」と言いますね。
柿だって8年も育てれば、実をおいしくいただくことができるようになります。
ローカル線は国鉄が見捨ててから30年近くも地元の人たちが大切に守り育ててきたのだから、もうそろそろローカル線が実らせた果実を、地元の人たちがおいしくいただく時代が来ても良いのではないか。
それが私の考え方です。
ローカル線という樹に実った果実を、地元が「育ててきてよかったね。」とおいしくいただくことができる日が来ることが、活性化だと、私は思います。
でも、なかなかご理解いただけないところが、辛いところなんですね。