大晦日終夜運転報告

大晦日にいすみ鉄道では終夜運転を行いました。
これは、国鉄木原線時代から見てもおそらく初めての試みで、いったいそんなことをやって誰が乗るんだ、と言われる方もいらっしゃったようですが、3往復6列車の運転で、延べ約300名様のお客様にご乗車いただきました。
ローカル線にとって、一晩に300名という数字が意味するものは大きく、列車を走らせるだけでこれだけのお客様にいらしていただくということは、やはり、ここにも需要があったか、ということなのです。
実際の乗車は夜が更けるに従って増えていき、お客様の様子を見ていると、大多喜駅や上総中野駅からご乗車になられる方が多かったようですから、おそらく皆様車でいらして、話のタネに終夜運転の列車に乗ってみて、その後、初日の出を見に行かれたのではないかと思いますが、のりほによれば、明け方の「初日の出号」(上総中野4:20発⇒大原5:25着)が62名と、最大乗車人員でしたので、やはり、そのようなお客様の需要があったと思います。
私は午前1時半ごろまでお付き合いしましたが、以下、写真で終夜運転をご紹介させていただきます。

[:up:] 終夜運転の時刻表です。

[:up:] 20:35に大原駅を出る急行51号です。
この列車の発車時点でまだ空いていて、20名様程度の乗車でした。


[:up:] こちらは大原を23:20に出る急行「初詣1号」が23:48に大多喜駅に到着したところ。車内は結構お客様が乗ってます。


[:up:]キハ28はテーブル付のボックスシートがほぼ埋まり、ロングシート部分にもお客様がいらっしゃいます。
キハ52の方もかなりのご乗車です。
大多喜を23:58に発車したこの急行「初詣1号」は夷隅川の鉄橋を渡って少し走ったところで日が変わり、新年を迎えました。
午前0時に合わせて、富岡運転士が汽笛を鳴らして、それを合図にアテンダント乗務の室井さんが「皆様、明けましておめでとうございます。」と車内アナウンスをしました。[:down:]
この列車は上総中野に0:20に到着し、折り返しの急行「初詣2号」となって大原へ向かいます。上の時刻表を見ていただければお解りいただけると思いますが、この急行「初詣2号」は全区間急行運転。ふだんは大多喜-上総中野間は普通列車として運転している急行列車ですが、この終夜運転の時は急行列車として走りました。
ということは、この列車だけ、上総中野発の急行券が発売されたということなんです。
それがこれ。[:down:]

[:up:] 今年、念願かなって鉄道会社に就職する応援団のO君が、この急行券の発売のためにボランティアで駆けつけてくれました。
上総中野駅では発売できませんから、この硬券急行券は上総中野を出て大多喜までの間で、列車内だけで発売したもの。こういう切符の価値がわかる方にとっては、良い記念ですよね。
用意した80枚は車内ですべて売り切れとなりました。



[:up:]折り返しの上総中野駅の様子です。
この列車の大多喜発から新年のヘッドマークを取り付けたキハに、駅構内ではたくさんのファンがカメラを構えます。
おそらく、大多喜町民の誰一人として、こういう光景が繰り広げられていることを知らないはずです。
いや、上総中野の住民の2人ぐらいは知ってたかも。(笑)
小湊鉄道さんにご協力いただいて、駅舎や駅構内も点灯していただきました。



[:up:]上総中野駅構内に停車する列車。
あったかそうな夜汽車の雰囲気、良いですよね。


[:up:]もちろん、いつものメンバーにも声掛けをしてお付き合いいただきました。
列車の中で忘年会からはじめて新年会ですね。
朝までお付き合いいただきましてありがとうございました。


[:up:]深夜1時半ごろの大多喜駅。
ひっそりと賑わっています。

[:up:]そして元旦のいすみ鉄道。
大原の家で目が覚めたら雪が降ってきたので、慌ててカメラを持って出かけましたが、雪景色にはなりませんでした。
それにしてもキハが一番の働きものですね。
以上が大晦日の終夜運転の報告です。
こういう需要を見つけて掘り起こすことが、新しいローカル線の使い方であることは間違いありませんが、「なんでそんな余計なことするの?」、「何かあったらどうするの?」という声も聞こえてきます。
でも、私は、何もしないよりも、やはり行動した方が良いと思います。
何もしなければ、何も変わりません。
そうしたらローカル線も地域も朽ちていくだけなのではないでしょうか。
今年はキハの車内で新年を迎えましたので、なんだかとても良い年になりそうな気がします。
いや、良い年にしなければなりませんね。
明日から仕事はじめの皆さん、適当に頑張って行きましょう!