秋田内陸縦貫鉄道の新社長さん

秋田県の由利高原鉄道の春田社長さんが、昨日の読売新聞の秋田版を送ってくれました。
春田社長さんが現在注目している第3セクター鉄道は4つ。
三陸鉄道(定住人口減少の中、どのように経営をしていくか。)
北近畿タンゴ鉄道(バス会社が経営に進出)
若桜(わかさ)鉄道(私たちの仲間である山田和昭さんが公募社長に就任)
そしてこの秋田内陸縦貫鉄道は旅行業出身の社長さんです。
佐々木社長さんはJTBのご出身。
由利高原鉄道の春田社長さんは東急観光ですし、山形鉄道の野村社長さんは読売旅行ですから、旅行業界出身の社長さんが、地域鉄道を観光鉄道に変えていくことがローカル線生き残りの方法だと考えられているようですが、新聞記事の中で佐々木社長さんがおっしゃられているように、地元の利用をどうやって増やしていくかが、実はとても大事なことなんです。
いすみ鉄道でも観光鉄道化に力を入れていますが、これはローカル線を維持するために何とかキャッシュフローを稼がなければならないからで、土休日に観光鉄道で稼いだお金で、月曜から金曜日までの地元の足を維持しているのです。
ただ、それだけでは夢がありませんから、「良いところですよ。」と宣伝して、都会の皆様方にローカル線に対して憧れを持ってもらい、地元を好きになってもらいたい。そうすることで沿線地域も全国区になって、ファンがたくさんできると思って活動しているわけです。
地域あってのローカル線なんですね。
ところが、鉄道会社の方では一生懸命「地域あってのローカル線です。」と言っても、地域の側からすると、鉄道に無関心なところが多いわけです。
「車社会だから鉄道には関心がない。」
ということならまだわかりますが、いすみ鉄道沿線でも、いすみ鉄道がこれだけ全国区になって、毎日のようにテレビで紹介されて、都会からたくさんのお客様がやってくるようになっても、いすみ鉄道に関心を持たない地域の人たちって意外に多くて、まあ、山の中のおじいちゃんおばあちゃんなら仕方がないかもしれないけれど、そうじゃなくて地域のリーダーと言われる人たちが、ローカル線に関心がない。
ローカル線というのは今の時代、地域の足という使い方にこだわるよりも、いすみ鉄道の知名度を利用して地域が這い上がるツールになると私は思っているんですが、そういう人たちは、「這い上がる必要性」というところから認識ができていない場合が多くて、「余計なことをしなくて良いから静かに走っていろ。」的なわけです。
私は、いつも、そういう人たちが長年かかって沿線地域を疲弊させてしまったとはっきり申し上げているのですが、数年前まで「面倒を見てやってきた」いすみ鉄道が、今、地域の旗印になっているなんてことは、考えたくもないのが本当のところなんでしょう。
秋田内陸縦貫鉄道の佐々木社長さんも、鳥取県の若桜鉄道の山田社長さんも、おそらくそういうミソギが待っていると思います。
どうぞ、心して頑張ってください。
そして、困難には連携して立ち向かっていきましょう。
明日10月1日はテレビ東京系の「鉄道警察」にいすみ鉄道が登場します。


[:up:] いすみ鉄道ファンブログのTassさんがUPしてくれた上総中野駅の写真。
今、土休日になると、イベントでもなんでもなくてもこのように人が集まっています。
地元の人は誰も近寄らない山の中の無人駅ですが、この日は少ないぐらいです。
この駅からのハイキングコースを整備して、年間何人来ましたか?
自分たちが企画実行したことについては何も検証しないでおいて、いすみ鉄道にだけ結果を求めるのはやめましょう。
この写真を1枚見ただけで、今、沿線地域は何をやるべきかは理解できると思うのですが、そのためには、まず、土休日のいすみ鉄道がどのような状況になっているかを「視察」してみてください。
遠くへ行くばかりが視察ではないんです。
いすみ鉄道は今、全国の自治体から視察に訪れる視察のメッカなんですから。
多分地元は誰もご存じないと思いますけど。