50の手習い

51歳でいすみ鉄道の自社養成乗務員訓練生に応募し、53歳でみごと国家試験に合格した訓練生第一期生の吉井さんが、何だか背中に大きな機械を背負って線路際で作業をしていました。


「吉井さん、お疲れさまです。」
と声をかけると、何と、秋に菜の花の種をまいた場所に肥料をあげていたのです。
NHKドラマ「菜の花ラインに乗りかえて」が制作されて、来年の春はたくさんのお客様にいらしていただけるとあって、大多喜町の人も、いすみ市の人も、この秋はいつもの年に増して気合を入れて菜の花の種をまいてくれました。
吉井さんは、その、種をまいてくれた箇所を順番にまわって、生育の悪い場所に肥料をまく仕事をしてくれているんです。
吉井さんは運転士として自分の列車にたくさんの観光客にお乗りいただく、その時のために、冬空の下、汗だくになって、足場の悪い斜面で一生懸命肥料をまいてくれています。
吉井さんだけじゃなく、いすみ鉄道のスタッフは、運転士さんも含め、一人何役もこなして、頑張ってくれています。
そんな吉井さんが、
「社長、50年の人生の中で初めての体験です。」とニコニコ笑って私に向かってそういいます。
私は、
「吉井さん、50年じゃないでしょう。55年でしょう。」
と、出かかった言葉をぐっと飲み込んで、
「お疲れさまです。」
と、答えておきました。
来年、菜の花がいっぱい咲いてくれるといいですね。
ところで、本日は、慶応大学鉄道研究会のOBの皆様方と、千葉県中小企業家同友会佐倉支部の皆様方が団体でいらしていただいて、2つの列車の貸切がありました。
どうもありがとうございました。
12月のこの時期に、本当にありがたいお客様です。
明日も団体のお客様のご予約をいただいております。
また、伊勢海老特急「お刺身列車」の運転もあります。
その関係で、急行列車は1~3号の座席指定は満席となっております。
皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。