3000円のランチ

私は時々、そうですね、月に数回ぐらい、「3000円のランチ」を食べます。
房総半島は伊勢海老やアワビが豊富で、この体型を維持するためにはそういうものをたくさん食べなければならない・・・・というわけではありません。(笑)
3000円のランチというのは、会社の若い人を連れて、昼飯を喰いに行くことです。
これは何も会社の中だけではありません。時にはいすみ鉄道にいつも来てくれるファンの人たちだったり、応援団の人だったり、とにかく自分より若い人たちに昼飯をごちそうすることにしています。
2人で行けば2000円のこともあるし、人数が多いと1万円を超えることもありますが、平均すれば3000円の昼飯です。
なぜそんなことをするかというと、若い人たちと数人でお昼ご飯を食べることは、私にとっては大切なことだと思っているからです。
人間50を過ぎると、だんだんと行動パターンが決まってきます。
食事をするのも、いつも同じようなメニューだし、行く店もだいたい同じ。
まして社長業をやっていると、社内をはじめとしていろんな人から煙たがられるし、会って話をする人はビジネスの取り引きを含めて、同年代か年上の人たちばかりですから、思考や行動が知らず知らずのうちに凝り固まっていく。
だから、私に必要なのは、若い人と話をすること。
若い人たちがどう考えて、何を基準に判断し、行動するのかということを知りたいのですが、それに一番良いのが一緒に昼飯を食うことだと思うのです。
自分のことを振り返ってみると、10代、20代のころはよく年上の人に昼飯をごちそうになったことを思い出します。
「おい、あきら、飯食いに行くぞ!」
そう呼ばれて連れて行ってもらって、ごちそうになりました。
そういう人たちはみんな聞き上手で、私が考えていることなどを一生懸命聞いてくれて、「そうか、そうか、それは良いことだ。頑張れ。」と背中を押してくれたり、道を教えてくれたりと、かわいがってもらったものです。
そのころはとにかく金がなかったから、給料日の前になると昼飯に何を食うか、財布の中身と相談するのが当たり前でしたが、人生の先輩たちから昼飯をごちそうになると、とにかくうれしかったし、助かった!と思ったものです。
だから、今は自分の番。
昼飯に付き合ってもらって、若い人たちからいろいろ教えてもらうわけですが、誘われた若い人の方は、そんなことはわかりませんから、ラッキー! で良いんじゃないかと思います。
人から受けた御恩というのは、その人に返すばかりでなく、別の人にお返ししたり、次の世代の人にお返ししていくことが、「絆」であって、人とのつながりだと思います。
私は若いころ、「口だけ出して金を出さないオヤジは最低!」だと思っていました。
どこの職場にもいるでしょう。
口うるさい割にはケチなオヤジ。
一緒に飲みに行って自分から「割り勘」っていう上司。
お会計の時になるといつもいなくなるおじさん。
いやですねえ。
だから、今、大きなことはできないけれど、せめて昼飯ぐらいごちそうして、若い人たちに仲良くしてもらいたいのです。