飛行機のローカル線

昨日は大都会のローカル線の話しをしましたが、今日は飛行機のローカル線の話。
東京から地方都市へ行く便や離島便では面白くありません。
昨日乗った成田発台北行の便です。
一昔前まではB747ジャンボジェットが1日2~3便飛んでいたこの路線ですが、経営再建のため大型旅客機が全部退役したためか、久しぶりにゲートに行くと国際線の幹線でありながら沖縄の離党便に使用されるのと同じ150人程度しか乗れないB737が待っていました。

私はいつも時間ギリギリにゲートへ行くのですが、昨日も出発時刻の15分前にゲートへ。(10分前が締め切りです。)
機内に入るともうほとんど搭乗が終わっているはずなのに、Cクラスにはお客様がいませんでした。
あれっ?と思うとクルーが「どうぞお好きなところにお座りください。」
この便のCクラスは私一人だったのです。

経営再建中なのにこれでは大丈夫だろうか?
赤い翼の会社のファンとしては心配になりましたが、離陸前からクルーはとてもさわやかの接してくれました。
台北までの飛行中にいろいろと考えてみましたが、12席のCクラスの乗客がゼロということは搭乗率0%。
数字だけ見ている机のうえの経営では「最悪」の状態です。
でも、考え方を変えれば、空席は12席なわけです。
大型の飛行機を飛ばして50席のCクラスを設定しても30席しか乗客がいなければ、搭乗率は60%になりますが、実際の空席は20席もあるわけですから、小型の飛行機にして運行経費を減らした方が、乗客が見込めない路線ではその方が良いのでしょう。
経営を立て直すということは、まずは冒険に出ないこと。
確実に利益が上がる方法を取っていくのが最優先だと思うのですが、赤い翼ではそれを実践しているのでしょう。
実際にこの便でもYクラスは9割以上の搭乗率でしたし、このような小型機での運行でしたら、格安航空券やグループ客で座席を埋めるのに必死になることもありませんから、1人あたりの客単価も高く取れるのだと思います。
これが航空会社で「YIELD(イールド)」と呼ばれる収益率。
お客様一人当たりいくらになるのか、ということを追求する方が利益が上がるわけで、大量輸送でどれだけお客様を運んでも一向に利益が出なかったジャンボジェットの時代が終わったということなのだと思います。
そのYIELDという考えでいえば、昨日の成田発台北行きJL805便のCクラスは乗客は一人でも収益率は「ゼロ」。
というのも実は私が使用したのは溜まったマイルを使用した特典航空券。
つまり、ただ乗りでしたから・・・
東京と台北を結ぶ飛行機も羽田からの便はワイドボディーのB767ですから、台北程度の距離の国際線に関していえば、成田便は「空のローカル線」になっているのです。
3年間も成田を離れてみると、時代は確実に変化している。
私がいたころには考えられませんでしたが、輸送のパイが縮んでいく中で、すでに成田はローカル線の基地になり始めているのです。
成田空港を愛する人間として、これは見過ごすことができない事実なのです。