急行 きたぐに

私のように40年以上も鉄道ファンをやっていると、今度のダイヤ改正で、どの列車がヤバイということが自然とわかるようになります。
いわゆる予知能力というやつですが、これは超能力ではなく、経験則から来る将来予測であります。
毎年、夜行列車など伝統の列車がなくなっていく中、12月の第3金曜日は翌年3月のダイヤ改正の発表というのがここ数年の恒例になっています。
今年はフライング気味で「日本海」がなくなるのが先月発表されてしまいましたが、「日本海」がそうなら「きたぐに」だってヤバイから、旅行会社の友人に頼んで、「きたぐに」の寝台券を取ってもらいました。
そして、先週、新潟への出張にかこつけて、私は羽田から最終便で伊丹へ飛び、深夜の大阪駅から急行「きたぐに」の車内の人となったのでありました。


[:up:]大阪駅で発車を待つ「きたぐに」。 この時間になると売店も車内販売も何もなしです。ついでに、お客さまもほとんどナシでした。
「きたぐに」は国鉄時代から続く伝統の列車で、今でも「急行」の種別で走っている日本で数本しかない貴重な「急行列車」の1つですが、ベテランの鉄道ファンの方の中には、北陸トンネルの中で食堂車が燃えた大事故をご記憶の方もいらっしゃると思います。
今の「きたぐに」は583系電車が本来の寝台電車として活躍する唯一の列車。
上野駅から出ていたころ、「はくつる」「ゆうづる」に乗った記憶がありますが、その時はB寝台のパンタ下が特等席でした。
今回は、「きたぐに」で使用されるようになってから新しく作られたA寝台に乗車。
サロネ581はにわかごしらえの「なんちゃってA寝台」ですから、下段に乗る限りは居住性は寝台料金の差ほど感じないと知りつつも、おそらく今回で最後となる583系A寝台の旅でした。


[:up:]世界初の電車寝台として昭和40年代前半に登場した583系(581系)電車。この日のAネのお客様は私を含めて5名でした。
結局、一杯飲んで、京都を出るまでの記憶しかない白河夜船でしたが、新潟に着いたときは全区間乗りとおした爽快感で満たされていました。

[:up:]新潟駅に到着した「きたぐに」
「日本海」の方は4年前に2往復体制から1往復体制になる直前に大阪→青森を走破していますので、今回は見送り。
プルマンのAネも東京発の九州特急でずいぶん乗りましたから、わたくし的には「いまさら」なのです。
このあたりが若いファンの方々と違うところでしょう。
それにしても、一緒に旅してくれる可愛い子ちゃんでもいなければ、冬の日本海の旅はやり切れませんね。
ということで、本日は大阪経由新潟行、大迂回出張のお話でした。