あとは野となれ山となれ

大多喜駅に勢ぞろいしたこの4人は訓練費用700万円を自己負担していすみ鉄道で訓練を受ける自社養成乗務員訓練生第1期生です。
2010年5月に入社し、早朝から深夜まで厳しい訓練に励んできました。
いつもはそれぞれ乗務訓練に入っていますので4人そろうことはまずありませんが、この日は珍しく4人揃っていました。

そして何となくにっこりしているこの表情は・・・
そう、4日間かけた技能試験が終わったのです。
運転士の試験は運転技術を身につければよいというものではありません。
お客様の生命と財産を預かるための心構えを確認する口頭試問から始まり、出区点検、車両故障時の応急処置、緊急事態への対応など各試験を通過して初めて列車に乗務しての技能試験に進むことができます。
そして、その乗務しての技能試験も、速度計を塞がれたうえで時刻通りに運転することが求められ、停止位置もセンチ単位で審査。もちろん、1キロでも速度超過があれば、その時点で試験中止となる厳しいものです。
その各種難関を、途中で試験中止になることなく、4人全員が最後まで到達したのですから、彼らの訓練をずっと見てきた私としては、すごい進歩だと実感するのです。
合格するかどうかはまだわかりませんが、とにかく最後まで4人とも進んだことに大きな意味がありますし、感激なのです。
結果はひと月後ぐらいになるようですが、じたばたしたって始まらない。
「あとは野となれ山となれ。」なのでございます。
なあ、Yさん。心配するなよ。ダメでもまだチャンスはありますから。
廃止になるかもしれない段階でいすみ鉄道に飛び込んできてくれた皆さんですから、私は最後まで面倒見るって言ったでしょう。
Tさん、もし免許をもらうことができても、それはあくまでも登竜門ですから、独り立ちできるようになるまで、最低あと6か月は教官と一緒に乗務訓練は継続しますよ。
だから安心するのは早いですよ。
さてさて、この1期生が卒業できるかどうかにもよりますが、いすみ鉄道では来年4月入社の自社養成乗務員訓練生の第3期生の募集を間もなく開始いたします。
身体条件と適性検査、学力考査にパスする方で、訓練費用を自己負担できる方であれば、年齢、性別は問いません。
我こそはと思われる方は、そろそろご準備をお願いいたします。
いすみ鉄道で第2の人生を職業を通じて自己実現できるチャンスです。