社会の構造について

人間と言うものは、朝考えることと、夜考えることは違います。
だから私は、ビジネスプランは夜に考えないことにしていますが、昨日の 「ブー」 とは一転して今朝はちょっとだけまじめな話。
このところ、ニュースで毎日のようにニューヨークの若者のデモを報じています。
「社会格差」に不満を持つ若者たちが、ウォール街でデモを行っているのです。
アメリカという国は、とんでもないシステムがあって、企業のトップなどの成功者と言われる人たちは、想像を絶するような報酬をもらいます。
日本でもスポーツ選手は何億円ももらったりするようですが、アメリカの経営者は100億とかだから半端じゃない。
100億といったら、毎年1億円使っても、100年かかるんですよ。
だから、個人に対して、そんな使いきれないようなお金は要らないのですが、成功報酬だからといって平気でもらっているのです。
このアメリカ型ビジネススタイルに、今、自国内の若者から「改めよう」という動きが出てきているのです。
私は、10代後半のときに自分の父が商売に失敗した経験から、若いころから社会には構造というものがあると感じていましたので、その構造を理解しないと、いつまでたっても貧しい境遇から抜けられないと考えていました。
最近の日本ではある程度物が豊かにいきわたっていますから、あまり感じないかもしれませんが、その「構造」とはどういうものか、クレジットカードというものを例に見てみましょう。
ショッピングをしてクレジットカードで支払いをするとポイントがつきます。
(お店それぞれのポイントではなく、カード会社のポイントです。)
このポイントは、ある単位を集めるとお金として使うことができます。
だから、一生懸命カードで買い物をして、ポイントをためて、南の島へ旅行に行ったりするのです。
どうしてそういうことができるかと言うと、お店の側にしてみれば、たとえば1万円で500円分のポイントがつくお店だと、簡単に言えば、商品の価格にそのポイント分を上乗せしてあるのです。
クレジットカード社会のアメリカでは、クレジットカードをもてない人たちがいます。
定職についていなかったり、定期的に収入が無い人たち、つまり、ダイレクトな言い方をすれば、経済的に社会の底辺と言われるところにいる人たち。
そういう人たちは、クレジットカードを持つことができないから、現金で物を買うわけですが、購入する商品の値段には、自分たちがもらえないポイント分の金額がすでに含まれているわけです。
簡単に言うと、カードをもてない経済的弱者が、カード決裁をする人たちのポイント分まで支払っていることになるのです。
そして、その弱者が支払ったポイント分のお金も集約されてポイントとして還元されるから、カードを持てる人たちは、そのポイントで家族でリゾートへバカンスに行ったりする。
カードをもてない弱者は、いつまでたっても現金で払うしかないから、余分なお金を払わされることになり、結果的になかなかカードを持てるようにならないのです。
これが、アメリカの「構造」。
カードを持てる人も、アメリカ人の消費性向としては、翌月の収入で今月の生活をするようなことをやってしまいがちですから、ここにも別の「構造」が存在するのです。
クレジットカードを例にとって見ましたが、世の中には、いろいろなところでこのような「構造」があって、それをよく理解しないと、仕事も個人の生活もなかなか思うようにならない。
一生懸命やっているのに、どうも思うように行かないという人は、自分の周りにある構造を見つけ出すところからやってみたらよいと思います。
こういうことは学校では絶対に教えてくれませんから、自分で気づく以外に方法は無いのです。