おいしいお祭り

今日は御宿の 「伊勢えび祭り」 の最終日。
いすみ鉄道もお邪魔して月の砂漠の海岸沿いで物販をさせていただきました。

私はずっと昔から日本全国を旅して、それぞれの町の元気度を見せていただいていますが、御宿の伊勢えび祭りは、「おいしいお祭り」で、なかなか手が出ない伊勢海老を比較的安価で、なおかつ、生きているものを目の前で食べられるダイナミックさが大変気に入っております。
お祭りにはいろいろな形式や形があると思います。
とくに古い神社仏閣があるような伝統のお祭りは、しきたりや流儀などに左右され、思うようにできないというジレンマに陥る場合があると思いますが、そのお祭りがうまくいっている時には古いしきたりに縛られるのも良いでしょうが、お祭りばかりでなく、町自体が傾いてきているときには、大きな改革が必要な場合があると思います。
夷隅地域ばかりでなく、この季節は全国的にお祭りが盛んに行われていますが、地域によっては、思ったほど盛り上がらないところもあるのではないでしょうか。
一例を挙げると、いすみ鉄道の本社がある大多喜町も、いろいろなイベントをやっていますが、東京出身のよそ者の私の目で見ると、先日のお城祭りにしても、いま一つ(いや、いま二つ以上)盛り上がりに欠けるように見えます。
おそらく、大きな額の予算をかけているのでしょうが、簡単に言うと、費用対効果が上がっていないと思うのです。
先日お邪魔した京都太秦の戦国バサラのお祭りも、主催者側にお聞きすると、えっ? と驚くほどの低予算で行われていましたが、足りない分は、来場者から稼ぐスタイルを取っています。
稼ぐと言っても、皆さんのお財布にはひもが掛かっていますから、地元のお祭り実行委員会の方々だけの知恵では、そう簡単にそのひもを解くことはできません。
そんなことができるぐらいなら、その町は閑散とするはずがありませんし、お祭りも手を打つ前に盛り上がっているはずです。
そういうときは、自分たちにはどうしようもないということを早く認めて、素直に外部の力を借りるより方法はありません。
京都太秦の戦国バサライベントも、仕掛け人は立命館大学の研究室の先生と学生たちで、彼らが、専門的な目で見て、低予算で多くの人が集まるお祭りを演出しているのです。
大多喜のお城祭りも、いらしていただいたお客様においしい思いをさせて、喜んでお財布のひもを解いてもらうという企画性がありませんでしたから、おそらく、たくさんの予算をかけて、自分たちの内輪で楽しんでいるだけのお祭りに見えてしまうのでしょう。
それに比べると、今日の御宿のお祭りは、
1:まず、外部のお客様にいらしていただくことを目的としていること。
2:いらしていただいたお客様に、おいしいものを召し上がっていただくこと。
3:そうすることで、町にお金が落ちるような仕組みが出来ていること。
4:それを、メキシコ交流というストーリーを付けて、自然に見せていること。
という点で、誰の目にもわかりやすく、良く出来ているお祭りだと感じました。
ちなみに私は、いすみ鉄道としてお金を稼ぎに行ったはずなのに、思わずうまそうなシーフードにつられ、まんまと財布のひもが解かれて、諭吉さまを御宿の街の中に置いてきてしまいました。
でも、お天気も良く、とても満足させていただきました。
そして、多くのお客様が同じ思いでお帰りいただけたことと思います。
御宿観光協会長様、ありがとうございました。