京浜急行でプチ旅行気分

午前9時半に自社養成乗務員訓練生の学科試験が始まると、もう私の出る幕ではありません。
午後に予定されている同じ横浜での会議まで時間がありましたので、久しぶりに京浜急行に乗ってみました。
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東京育ちの私は、中学、高校のころ、よく友人と東京の私鉄を乗り比べたものです。
「どの路線が一番美人が多いか?」
そんなテーマで盛り上がったことを憶えています。
私は東武東上線に毎日乗っていましたが、当時の東上線は成増を出ると原野のような景色に変わり、誰も渋谷や有楽町から直接地下鉄が通じるなんて思ってもいませんでした。サツマイモの産地である川越へ行くため 「イモ電車」 と呼ばれていましたから、このテーマの対象外。
鶴ちゃんがギャグにしていた京成電車もエントリーにも入りません。
東急線は当時から垢ぬけたイメージがありましたが、今人気の田園都市線は当時は渋谷に直通せず、まだまだ田舎の電車でしたから、地方から出てきた友達は、東京へのあこがれもあるのか、皆、口をそろえて「東横線」と言っていました。
商店街など下町の雰囲気をよく残す町並みを走る小さな電車が可愛くて 「池上線」 という人もいましたが、これは演歌のイメージを引きずっているだけで美人路線とは無関係。
小田急線は成城学園と経堂付近にきれいな人が集まっているとか、豪徳寺がいいとか。
西武線は新宿線か池袋線か、どちらがより垢ぬけているかとか、言いたい放題。
そんな中で、私は迷うことなく「京浜急行」と思っていました。
まだサザンがデビューする前でしたが、湘南へ行く真っ赤な電車が鮮烈で、その雰囲気につられて、乗っている女性が皆さんきれいに見えたのかもしれません。
電車がスピードを上げてきびきびと走る小気味良さも魅力で、将来住むとしたら京浜急行沿線がいいなあ、なんて考えていました。
そんなことを思い出しながら、横浜から各駅停車で新逗子へ。
途中、日ノ出町、黄金町と途中下車の誘惑に駆られ、南太田でしばらく停車して快特と急行2本に抜かれるなど旅気分で、新逗子に到着。
暑さも幾分和らいだので、ぶらぶら歩きながらJRの逗子へ出て、ホームに入ると待っていた電車は何と「宇都宮行」。
東京育ちの田舎者には、横須賀線は今でも当然「白い砂と青い海」のカラーリングにこだわっていますから、いきなり目にした新型カボチャ電車に目を丸くしました。
ガールフレンドと鎌倉にデートに来たころから見ると、首都圏の交通体系も大きく変わったことを今更ながらに実感させられました。
そしてもう一つ気づいたことは、「あれれ? 美人は何処へ?」
最近ではきれいな女性の定義も変わったようですね。
紅顔の美少年も今では 「おじいさん」 になりました。

そして、それに追い打ちをかけるように、当時最悪と思っていた京成電車の沿線に人生の半分以上住んでいる自分に気が付いてしまいました。
その前の半分はイモ電車だった東上線ですから、私の人生、電車運は最悪かもしれません。
やっぱり電車より気動車(ディーゼルカー)が好きなのです。