昨日夕方の「Nスタ」と、今朝の「朝ズバッ」でいすみ鉄道を取り上げていただきました。
現在販売中の鉄道車両、いすみ204号車についてですが、それも含めた、いすみ鉄道の存続対策全般を取り上げていただき、本当にありがとうございました。
いすみ鉄道は、現在、少しでも多くの皆様にご利用いただくこと、そして物販等で売上を上げていくことで存続を図ろうと懸命になっているところですが、今回の204号車も、ただ単に売れれば良いというものではございません。
番組の中では、解説者のお一人が、「これはオークションにかけた方が高く売れるのではないか」というご意見をおっしゃられておりましたが、確かに少しでも高く売れるようにするには、オークションはひとつの方法かもしれません。
でも、私も含め、いすみ鉄道の会社の人間は、高く売れることも大切ですが、それよりも、末永く可愛がっていただくことの方が、ありがたいと考えています。
鉄道車両ですから、本来の目的である「動いて人を運ぶ」ということ、つまり動態保存していただくことが一番ありがたいと考えますので、「専門の業者が整備をすれば自走可能」と記していますが、番組の中でも取り上げられていた通り、線路を敷くのが一番大きな投資になります。
私としては、この車両のために特別に線路を敷かなくても、すでに廃止されたローカル線の一部区間を借り受けて、または買い取って、線路を剥がさずにいつでも列車が走れる状態で保存している場所が日本全国に数か所ありますから、そういうところに運んで行けば、新しく線路を敷くことなく走らせることが可能だと思います。
まあ、本当に走らすためには多くの難問が待ち受けていますが、そうでなくても、皆様のアイデアと工夫次第でいろいろ活用の仕方はあるのではないかと思います。
国鉄時代の蒸気機関車に始まり、分割民営化の時点でもたくさんの鉄道車両が民間に払い下げられましたが、そういう車両たちのほとんどが、数年のうちに朽ち果てて見るも無残な姿になってしまいました。
ですから、お金を持っている人だったら誰でも良い、というようなオークション的販売ではなく、さび取りや塗装をこまめにしていただくなど、ご購入後も末永く可愛がっていただける方に買っていただくことが、一番の願いなのです。
ということで、ご興味がおる方は、いすみ鉄道まで、どのようにご使用になりたいか、というあなたの想いを合わせて、メールにまたはFAXにてお知らせください。
整備、運搬に関しましては、専門の業者をご紹介いたします。
9月の下旬に、ちょうど大多喜町まで大型のトレーラーが来る仕事がありますので、その帰り車を利用すれば、破格の値段で運んでもらえるものと思います。
いすみ鉄道 FAX 0470-82-2249
ちなみに、この204号車は、私は個人的に、大多喜町内のどこかにシンボル的存在として展示してはどうかと、今年の初めごろから役場を通じて道の駅などに話を持ちかけましたが、前向きな進展がありませんでしたので、今回の一般販売になったことを付け加えておきたいと思います。
※ いすみ200形について
この車両は昭和63年生まれのレールバスと呼ばれる車両です。
国鉄時代のローカル線が廃止になるに当たり、第三セクター鉄道ではできるだけ低コストで列車の運行ができるようにという考え方から、バス車体とバスエンジンを利用した安価で軽量な車両として誕生しました。
当時の考え方では、第3セクターになったところで、せいぜい10年だろうということが一般的に言われておりましたので、この車両も10数年もてばよいという設計だったと思いますが、各地の第3セクター路線に投入された同じタイプの車両が現時点でほとんど姿を消しているのに対し、いすみ鉄道では大切に整備されて、今でも現役で活躍しています。
おそらくあと10年もすれば、この車両も一つの時代のエポックとして、歴史に刻まれることになると思うほど、交通の歴史の中では大きな役割を果たした車両であると、私は考えています。
(テレビのレポーターに言われました。「本当は社長が買いたいのでしょう!」と。はい、その通りです。)
最近のコメント