明日から仕事はじめですね。

長かった年末年始のお休みも今日で終わり。
明日からお仕事の方も多いと思います。

観光の仕事は人が休んでいる時が稼ぎ時ですし、まして鉄道やバス、飛行機などの交通機関は基本的には365日お休みなどありませんから、この年末年始もいつも通りにお仕事をされていらっしゃる皆様方もたくさんいると思いますが、本当にお疲れ様でした。

今、日本では国策として「観光」を産業化しようとしています。
皆様にお金を使っていただくこと。外国からわざわざお金を使いに来ていただくことで消費を奨励して収入を増やそうとか、外貨を稼ごうというのが観光が産業という意味であり、観光とは決して遊びではないのであります。
10年ぐらい前の田舎では観光というのは遊びだと考える人たちがたくさんいましたが、今ではそんなことを言う人たちもほとんどいないと思います。
つまり、観光というのが産業であるということが国民的コンセンサスを得たと私は考えているのですが、では、観光が産業というからにはきちんとしたノウハウが必要だということはまだまだ浸透していないのではないでしょうか。

つまり、産業ですからテクニックやノウハウや経験の蓄積が必要で、そう簡単ではないのです。
どんな商売だってそうでしょう。
例えばラーメン屋さんやパン屋さんだって、素人がおいしいラーメンやパンを作れるものではありません。一生懸命修行して日夜研究してこそおいしいものが作れるのはもちろんですが、自分のお店の存在を知ってもらって、お客様にいらしていただくことも必要です。従業員の教育だって大切です。こういうスキルやノウハウの蓄積があってこそ商売ができるのですが、つまりはこれが産業ということなのです。

具体的に言うと、
・どうしたらお客様に存在を知っていただくか。
・どうしたら存在を知っていただいたお客様にいらしていただけるか。
・どうしたらいらしていただいたお客様にご満足いただけるか。
・そして、どうしたらお客様にまたいらしていただけるか。
こういうことをきちんと考えて、戦略を持って売り上げをあげていくことが産業なのであります。

で、問題なのは観光ということが地方の町でこうやってきちんと戦略を持ってやっているかということが、今、問われているのではないでしょうか。

私の友人の丁野朗さんという東洋大学大学院の先生で観光のプロの方が元日の新聞のコラムにこんなことを書かれています。丁野さんからはいつもいろいろなことを教えていただいているのですが、今年も元日から勉強させていただきました。


▲日本商工会議所新聞2020年1月1日
以下、引用させていただきます。

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観光はオーケストラの指揮者に例えられる。
それぞれのパートの楽器(プレーヤー)たちが、しっかりとした仕事を発揮できるための総合コーディネーターである。

オリンピックイヤーである2020年を目標に設定された「明日の日本を支える観光ビジョン」は、3つの視点と10の重要施策を核に展開されてきた。数値目標という意味では初期の目標に近づきつつある。だた、問題は、その豊かさを地域が実感できているかどうか、観光立国に向けた土壌づくりができているかどうか、である。

「観光」という言葉を聞いて、一般国民の多くは、それは観光事業者がやるもの、という冷めた見方も少なくない。これら観光政策を所管する自治体の観光関連課は、観光地域づくりのための権限に乏しく、現状は誘客という名のイベント、キャンペーンなどに翻弄されている。

本来、観光資源である歴史文化資源を所管する文化政策、観光の足である二次交通などの交通政策、快適な都市や景観づくりなどの都市政策、港湾や河川・道路などの交友空間の活用、生き生きとした食やブランド産品を生み出す産業政策などなど、地域活性化の主要施策は、いずれも観光関連課の所管外である。

観光は誠に地域の総合力が試される。人口減や産業政策の失敗などを理由に、「観光でも」とか「観光しか」といった安易な考えでは成功はおぼつかない。
地域の様々な施策を有機的に結び付け、創造的に生かそうとする強い意志とリーダーシップ、優れたプレーヤーたちの存在がなければ、観光立国にふさわしい地域づくりなど不可能である。時代を担う若い力の台頭が切に望まれる。

改めて地域の現場から、地に足の着いた観光立国の1年としたい。

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「観光でも」とか、「観光しか」と考えているところは結構あるのではないでしょうか?

同じことを例えば、「ラーメン屋でもやるか」とか、「ラーメン屋しかできない」、あるいは「パン屋でもやるか」とか、「パン屋しかできない」というようなお店があったとしたら、皆さんはそういうお店のお客様になりたいですか?

私はそういうお店のお客様にはなりたいとは思いません。
観光で地域おこしをするということは、つまりはそういうことなのであります。

さあ、2020年は東京オリンピックの年。

皆さん一生懸命頑張りましょう。
きちんとした戦略を持って。