黄昏(たそがれ)急行

今日もビョーインに行きました。
今月に入って3回目。
今まで、3か月に一度、いわゆる状態機能検査を受けて来ていますが、このところは、まぁ、重要部検査とか全般検査というところでしょうか。
そんなところまで調べるの?
というほど、調べられています。

私のような体形はさぞかし悪いところがあるのだろうと思う人がいるかもしれませんが、実は私、ドクターから褒められる優等生ペイシャントなのであります。

なんたって、
総コレストロール 184
中性脂肪 114
γGTP 39
ですからね。

で、ビョーイン終わって新幹線に乗ったら、ちょうど陽が沈んでいくところでした。

トワイライトエクスプレス。

日本語だと黄昏急行。
私、どうも好きになれなかったので、結局1度も乗りませんでした。
だって、ネーミング、悪すぎるもの。
他にもありますよね。
例えばターミナルホテル。
最近では減ってきたけど、絶対に泊まりたくない。

つまり、どういうことかというと、偏屈なんです。
偏屈ジジイ。

人間はその年齢になってみて初めてわかることというのがいろいろあると思いますが、一般的な傾向として、年を取ると偏屈になる。
偏屈、頑固、意固地。
いろいろな言い方がありますが、つまり、一言で言うと「めんどくさい爺さん」になる。
全員が全員なるわけじゃないけど、たいていの人は、だいたいそういう道へ行くようです。

女の人もそうですよ。
30過ぎて40ぐらいになってくると、だんだんと怖くなってくる。
どうしてかはわかりませんが、あくまでも一般論ですが、そういう人が多い。

あるとき、そうですね、私がまだ30代後半の頃のお話ですが、年下の部下がいました。(外資系では部下は年下とは限らず、上司は年上とは限りません)
彼女は20代から30代になろうとする時期でした。
その年齢の頃は私にも経験がありますが、いろいろと考える時期ですよね。

で、ある時、彼女が言うんです。

「鳥さん、先輩たち(女性の先輩のことです)、みんな何だか最近おっかなくなってきましたね。」

「そうだね。年齢的なものじゃないかな。」

「鳥さん、もし、私が何年か経って、あんな風になってきたら教えてね。ちゃんと言ってね。」

「あぁ、わかった。覚えておくよ。」

なんてしおらしいじゃありませんか。
じゃあ、この人が10年経ったらどうなるか。
私は楽しみに思いました。

それからしばらくして、彼女も上の地位になって部下もできました。
するとどうでしょう。
部下に対しての口調が厳しくなってきたのです。
で、私は思い出したんです。
かつて先輩たちを見て、「もし将来私がああなったら、ちゃんと教えてね。」と言っていたことを。

で、タイミングを見計らって、言ったんです。

「最近、ちょっと怖くなってきたんじゃないの?」

って。
そうしたら、キッ!とした顔をして、

「何言ってんの鳥さん。年取ったんじゃないの?」

まぁ、つまりはそういうことなんですよ。
歩んできた道があって、やがて行く道があるんです。

彼女とは家族ぐるみのお付き合いをさせていただいていて、今では立派なポジションについていますから、別に私が育てたわけではありませんが、よかったなあと思っております。
今、怖いかどうかは別としてね。
(多分、このブログは読んでないと思いますけど。同僚が読んでたら「黙ってろよ」ということで)

最近、ネットの投稿を見ていると、やっぱり60過ぎたり70過ぎたりすると、なんだかウダウダと偉そうなことをのたまわったり、「若い連中が許せない」というようなことをおっしゃる御仁がいらっしゃる。

まぁ、Facebookで4000人以上「お友達」がいれば、そういう人も100人、200人いるわけでして、もちろん私もその一人ではありますが、例えば銀行や郵便局の窓口で怒鳴ってる爺さん居るでしょう。
JRの駅で若い駅員に向かってグタグタ言ってる爺さんとか。

全般検査を何とか通さなければならないトワイライトの時期を迎えた私としては、そういう人様の言動を見るにつけ、他山の石として自分を戒めなければならないと思いつつ、今夜も地方都市のビジネスホテルの一室で、うだうだと飲んでいるのであります。

皆さん、気を付けましょうね。

人間(じんかん)いたるところ青山(せいざん)あり。

頑張ってお仕事しましょうね。

私のトワイライトは鈍行で行きたいと思います。