3月のこの時期はダイヤ改正の時期。
子供のころからたくさんの思い出があります。
山陽新幹線が岡山へ開業したり、博多まで伸びたり、青函トンネルが開通したり、あるいは北陸新幹線が金沢へ伸びたり。
10年前の今頃は在来線の特急「はくたか」がなくなると言って大騒ぎだったんだろうなあと思います。
もっと後の世になって、今の若者がおじさんになったころに、在来線の「はくたか」の思い出などがたくさん語られるようになるんだろうなあ。それまで鉄道の人気が続いてくれればよいなあと、今、鉄道を預かる身としては思うのであります。
さて、大井川鐵道でSLが復活した昭和51年(1976年)は、私は高校1年生でした。
SLが復活したことは小躍りするほどうれしかったのは事実ですが、実は、高校生になったということは「自由を得た」のと同じでしたから、私はそれまで行くことができなかったいろいろな所へ行きたかったのです。
でもって、大井川鐵道のSLは1~2回は行ったものの、当時、まもなく廃止される京都市電にも足しげく通っていました。
京都という名前は東京の高校生にとっては特別な響きを感じるところで、なんとなく憧れていたのですが、何しろ京都の町には市電は無くてなならないコンテンツだと考えていた私は、その京都から市電が消えるということに耐えられない違和感を感じていて、SLがなくなったら今度は京都市電もなくなるのか。だったら今のうちに写真を撮りに行かなければと思い、金曜の晩の大垣行の夜行列車に何度も飛び乗ったのであります。
まぁ、大井川鐵道はまだしばらくSLが走るだろうからと、私の中での優先順位が低くなりまして、白河夜船で金谷の駅を何度も通過していたのであります。
でもって、この間家に帰った時に、高校生の時に撮った京都市電の写真を見つけたので、「ここどこだったっけ?」と髪の毛と共に薄れゆく記憶をたどってグーグル様の旅をしてみました。

▲東寺ですね。
ユースで知り合ったアメリカ人のおじさんを案内がてらやってきた定番スポットです。
この場所が今はどうなっているかというと・・・


まだ歩道橋が残っていて、市電は無くなって久しいですが、同じアングルで撮れそうです。50年ぶりに再訪してみるのもいいかなあ。
あっ、今歩けないんで、無理か。

▲次はココ。
三十三間堂前の東山七条です。
京都駅方面から来た市電が環状線に突き当たるところです。
よく見ると、ずっと向こうの方に京阪電車が渡っています。
今は地下になっている七条駅ですね。


今はこうなっているようです。
考えてみると、ずいぶん狭いところを電車が走っていたのですね。

三十三間堂からずっと向こうに見えた京阪電車の七条駅。
このころは地上駅で、加茂川の流れに沿って電車が走っていました。

東山を上っていくと八坂神社前に来ました。

ここは祇園の近くなのでたくさんの観光客で賑わっていました。
今はもっと人が多いんだろうなあ。

50年前からほとんど変わっていませんね。
市電に乗ってもう少し上ってみましょう。

▲叡電と交差する元田中です。
叡電も今年100周年ですので、コラボ企画を検討中。
この場所は去年も一度来ています。

京都市電は廃止されてから50年近く経ちますが、平面クロスがなくなっただけで、叡電は昔のままですね。
なぜ私が50年前に叡電に行ったかというと、ポール電車が走っていたからです。
パンタグラフじゃなくて、ビューゲルじゃなくて、ポールが見たかったんです。


上の写真を撮ったホーム対面の路地は今もそのままですね。

元田中から烏丸車庫を通って西側にやってきました。
大文字山が見える場所です。


ここですね。
拡大して見ると向こうに大文字山が見えますね。
ここまでどうやって行ったのか(多分市電を乗り降りしたんでしょうけど)、この場所へ行った記憶すら全くありませんが、グーグルマップを見る限り、間違いなく私はここに居たのであります。
全く記憶がないと言えばこの場所です。

ビクトリアというパチンコ屋さんだけが頼りですが、全くどこだかわかりません。
どなたかお分かりになる方がいらっしゃいましたら、Facebookのコメント欄で教えていただけないでしょうか。
ということで、大井川鐵道でSLの動態保存が始まったころ、私は大井川鐵道を素通りして、京都へ足しげく(といっても高校生なのでせいぜい年に3回ぐらいですが)通っていて、市電の写真を撮りまくっていたのであります。
半世紀前、確かにボクはココに居た!
まもなく65歳になる一人暮らしのお爺さんとしては、チャットで遊んでくれるガールフレンドも最近はトンとご無沙汰で、夜一人ですることがないのでありまして、こうしてグーグル様に遊んでいただいているのです。
そんな時は、「今はいい時代になったなあ」と思うのでありますが、それもこれも、昔から写真を撮ってきたからできるワザでありますゆえ、若い皆様方も、将来お爺さんになった時のために、今からたくさん仕込みをしておくことをお勧めいたします。
また昔話にお付き合いいただきましてありがとうございます。
昔話ばかりなんて、イヤだねえ、爺さんは。
※文中のリンクはグーグルマップです。
そのリンクの位置のスクリーンショットを使用させていただきました。
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