ドローン実証実験

昨日今日と沿線でドローン実証実験を行いました。

これは国の実証実験に協力する形でのテストケースで、鉄道の線路の保守点検をはじめ、いろいろなことにドローンが活躍できるのではないかという将来に関しての検討です。

ドローンを飛ばして線路の点検をするということは、人に頼らずとも遠隔で確認できるのはもちろんですが、人間の目が届きにくい、例えば架線柱の上部や、高架橋の下部などを簡単に点検することができて、その点検で「おかしいな」と思うところを実際に人間が現場を訪ねてチェックすることで、見落としなども防げると考えられています。
また、ビルなどを含めた町全体のデータベースを作成することも今の時代は可能ですが、鉄道の線路の上をドローンが飛行することは原則禁止されているようで、でも、3D地図や様々な用途を考えた場合に鉄道の敷地内が空白になることはあり得ませんね。

そういう新しい考え方を進めていく必要があると私は考えています。

でも、「そんなことをやってもし何かあったらどうするんですか?」という考え方の人たちが鉄道会社には多数いることも事実ですから、大手では無理なんですね。
だから、まずはパイオニアとしてえちごトキめき鉄道が国に協力しますと名乗りを上げてみました。

「もし何かあったらどうするんですか?」という人たちは、例えば「バッテリーが切れて墜落したらどうするんですか?」となるわけですが、「そうならないためには予備のエンジンを取り付けましょう。」となって、だとすると重量が重くなってドローンがさらに大型化する。
エンジンを取り付けるということはガソリンが必要になりますから、ドローンにガソリンを搭載しなければなりません。

そうなるとどうでしょうか?
ガソリンを搭載した大型ドローンが空を飛ぶんですよ。
もし何かあったらどうするんですか?という不安を解消するために。

不安を解消するためにさらに大きな不安を抱えることになるわけです。

つまり、やらない方が良いよということですが、そういう考え方では前に進みませんよね。

私は航空業界と鉄道業界の両方を知っている人間ですが、100パーセントの安全って何ですか?と聞かれたら必ずこう答えます。

「飛行機は飛ばないことが安全です。電車は走らないことが安全です。」

でも、それじゃあ仕事になりませんよね。

飛行機が飛ぶということは安全ではないし、列車が走るということも何らかの危険性が伴います。
その危険性を限りなくゼロに近づけるのが仕事なのです。

ということで、昨日今日と沿線でデータベースづくりのためにドローン飛行を行いました。

列車が来ない時間帯を見計らってドローンを飛ばしました。
直江津駅構内は線路閉鎖と言って、入換作業も停止して列車が来ない手配を取って、限られた時間の中で飛ばしましたが、予定通り終了いたしました。

こういう経験を積みながら、安全性を確立して、やがて全国の鉄道で線路点検や安全確認のためにドローンが飛ぶ時代が来たら、えちごトキめき鉄道が社会のお役に立てるのではないか。

そんなことを考えて、小さな鉄道会社ながらも国の実証実験に協力させていただいております。

関係者の皆様、お疲れさまでした。

おかげさまでご覧のようにお天気が良く、2日間で私はすっかり日焼けをしました。