両方でやらいちゃいましたね。

沖縄が台風直撃ということで、飛行機がみんな欠航しています。

これはまあ、2~3日前からわかっていたことですから、ある程度時間的余裕があったので、予約の取り直しやキャンセル待ちという手があったと思います。

以前なら、空港のカウンターで長蛇の列になったのでしょうけど、今の時代、空席がある便を自分で見つけてさっさと予約の取り直しをしてしまうことが一番賢くて、航空会社に何とかしてもらおう的な人たちは、たぶんですけど貧乏くじを引く。
そうなっているんじゃないかと思います。

ホテルは満室かもしれませんが、こういう時はどんどん空室が発生します。
考えてみてください。
飛行機が飛んでいないということは、自分も帰ることができませんが、東京や大阪から沖縄に来る人も来れないのです。

だから、当然予約していた部屋のお客様は来ない。

気の利いたフロントマンなら予約を調べて、どこからくるお客様なのか、何便で来るのかという予約のデータを調べて、航空会社のサイトを見て、その便を含む前後の便が欠航なら「このお客様はいらっしゃらない。」と判断をして、予約が入っている部屋でも「どうぞ、お泊りいただけます。」とお部屋をくれますから、とりあえず今泊まっているお部屋を延泊することができます。

飛行機が飛ばないのですからじたばたしても仕方がありません。
とりあえず居場所を確保して、じっくり構えるしかありません。

ところが今日は、沖縄だけじゃなくて羽田空港もやらいちゃいました。

雷で飛行機が飛ばなくなったのです。

日本の航空の中心地、ハブ空港と言われる羽田がやらいちまいますと、日本全国ネットで飛行機が欠航となります。
つまり、じたばたしても始まらない事態が全国に及ぶのであります。

こういう時は同じように自分でネットを見て、とりあえず飛ぶ予定の便を予約して、どんな航空券でもいいから、変更してもらえるかどうか交渉するしかないですね。
系列の航空会社だったら、意外にOKくれたりするかも。

ちなみに私、以前に札幌で大雪に見舞われた。
こういう時はもたもたしているとやばいので、すぐに南千歳から「北斗」に乗って函館に来て、次の日の函館ー羽田を正規運賃で予約して、函館で自腹で一泊して次の日函館空港へ行ったら、札幌ー羽田の切符で函館-羽田に乗せてもらいました。
私がもともと持っていたのは変更が効かない切符でしたけど、無問題。

とりあえず次の日の午前中には東京へ帰ることができました。

なぜ雪が降ると飛行機が飛ばないのか? 本当の理由ってご存知ですか?
▲4年前に私が書いたYAHOOニュース

もちろん、札幌-函館間の「北斗」と函館のホテルは自腹ですよ。

でも、こういう時は身の置き場が確保できるだけありがたい。
ちなみにそのあと千歳空港はカオス状態になって、皆さん数日間ロビーに雑魚寝。中国人が大暴れしたというニュースになりました。

ということで、本日は羽田空港が雷雨とのこと。

雷雨になるとなぜ飛行機が飛ばないかお分かりになりますでしょうか。

まぁ、雨、風が強くなって視界が悪くなる。
というのは当然として、雷警報が出るとランプと呼ばれる駐機場で仕事をすることができなくなるのです。
あの広い空港は逃げるところがありませんから、大平原で雷に会うのと同じで実に危険。
飛行機の下にもぐり込んだとしても、飛行機に落雷したら、下にいる人間がアースになっちゃうから絶対禁止。
つまり、地上作業員に対して退避命令が出るのです。

だから、飛行機が出発できない。

降りてくる飛行機もそう。

空港上空、あるいは進入経路上に雷雲があると、飛行機が墜落する恐れがあるのです。

積乱雲というのは下の部分に強い下降気流が発生しています。
ダウンバーストと言って、噴き出した風が四方へ広がります。

着陸進入中の飛行機がこのダウンバーストに当たるとどうなるか。
まずはいきなり強い向かい風を受けます。
飛行機は「対気速度計」ですから、向かい風に当たるとパイロットは速度が速くなったと思い、エンジン出力を絞ります。
そこへ今度は強い下降気流。
エンジン出力を絞ってあるから高度が一気に落ちます。
そして次に待っているのが強い追い風。
さっきとは逆に操縦室内の速度計の数字がいきなり落ちます。

速度が落ちるととうなるか。
飛行機は飛んでることができなくなります。
パイロットはフルスロットルで出力を上げます。
でも、最終着陸態勢に入っている飛行機は高度がありません。
高度がないのでエンジン出力が効いてきて、上昇に転じるまでの時間を持ちこたえることができません。
つまり、滑走路手前の地面にたたきつけられるのです。

1970年代まではこういう事故がたくさん発生していたのです。

今から40年ぐらい前に日本人の藤田さんという博士がこの下降気流(ダウンバースト)の存在を発見して、積乱雲の発生しているときに空港へ着陸する危険性が解明されたのです。

今はレーダーでよくわかるようになりましたけど、パイロットというのは基本的に積乱雲には近づかないというのが、「イロハのイ」なのであります。

だから、今日のように都内を積乱雲で囲まれちゃいますと、もう飛行機は飛べないのであります。

ということで、今宵は日本中でもしかしたら数百人、あるいは数千人の人たちが足止めを食らっていることと思いますが、たぶんですけど、さっさと行動してお家や目的地にたどり着いている人も同じぐらいの人数がいらっしゃるのではないでしょうか。

では、その差は何かというと、ネットに長けているということはもちろんかもしれませんが、私が思うには「他力本願」の人は上手に立ち回れないでしょうね。

つまり、「航空会社がなんとかしてくれる。」と思っている人たちは、取り残されているのではないかと思います。

カウンターのお姉さんを捕まえて、「何とかしろ!」と言っているようでは完全に出遅れるでしょう。
こういう時は、自腹覚悟で、さっさと行動することをお勧めいたします。

これから夏の旅行シーズン。
ご家族を連れたお父さん、自分の家族を守るためには他力本願を捨てて、早め早めの行動をしましょうね。

ミールバウチャーをもらおうなんてせこいことを考えてたら、大切なご家族が路頭に迷うのであります。

皆様、どうぞ良い旅を