先日、トキめき鉄道の社員を対象とした津波避難誘導訓練が行われました。
参加したのは主として若手の乗務員さんたち。
トキめき鉄道沿線では津波の危険性がある区間はひすいラインの市振-青海間と谷浜付近。
谷浜付近は昨年同様の訓練を実施しましたので、今年は市振-青海間で行いました。
私ももちろん参加いたしました。
この日は専用の訓練列車を仕立てて市振へ向かいました。
市振到着の直前に大地震が発生し、津波警報が発令されたという想定です。
列車はホームの所定の停車位置よりも手前、ホームにかかったすぐのところに停車して、乗務員がすぐさま乗客を避難誘導します。
地震発生から約6分で線路をオーバークロスするこの付近で一番高い所に来ました。
ここまででほぼ合格ではないかと思いましたが、一応、地域の避難所になっているお寺まで歩いて、地域がどうなっているのか、路地まで確認しました。
実は私、今度ぶら鳥《市振編》をやろうと別の意味でこの地域はすでに実地検分しておりましたので、多分この日の参加者の誰よりも詳しかったかも。
その後、列車を海岸線付近のトンネルとトンネルの間、雪覆いの部分に停車させました。
なぜここで止まるのだろうかと思ったのですが、「全員下車するように。」
そう、このところは地上へ上がる作業通路がある場所なのです。
旧国道跡に出るんです。
もしこの区間で津波警報が出たら、列車をこの位置に停車させて、この通路を使って乗客を高台に避難させるようにという訓練です。
さらにこの区間はトンネルが上下線で別れている単線区間になりますが、富山方面への上り線の新子知トンネルからの避難路にもなっているのです。
ひすいラインはトンネルが多いため、トンネル内で非常事態が発生した場合はどこで止めたら逃げられるか、という実地訓練ですね。
照明スイッチなど、細かな部分まで確認していました。
今回参加したのはこの6月で運転士の試験に合格した若手社員。
みんな、信号機の位置確認や、トンネルの非常口の確認など、真剣に勉強していました。
一度、現地に立っておくと違うものです。
ひすいラインは美しい海岸線を走る路線ですが、この海がいつ牙をむくかわかりません。
ましてこのところ対岸の能登半島では地震が続いていますから。
万が一に備えて、考えられる準備はしておくこと。
でも、実際にはワンマン列車ですから運転士が一人で対応しなければなりません。
そこが鉄道マンに求められる厳しい現実でもあります。
こうして現地を自分の足で歩いてみると、いざという時に選択肢が増える。
それが大事なことなんだと思います。
若手社員の皆様、よろしくお願いします。
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