4月28日 九州鉄道記念館

昨日は九州鉄道記念館へお邪魔しました。

26、27日と佐賀県庁、佐賀・長崎鉄道管理センターにお邪魔しましたが、昨日は門司港にある九州鉄道記念館を訪ねました。

私の友人の入江高亘さんが保存蒸気機関車の写真展を開いていますので、お邪魔させていただきました。
日本全国の公園などに保存されている蒸気機関車は600両とも言われていますが、廃車から半世紀が経過して、風雨にさらされているものは傷みがひどく、自治体によっては解体処分にしてしまうところが出てきています。

入江さんはそんな蒸気機関車の再生をボランティアで行っていて、仲間と一緒にピカピカにしてしまう技術の持ち主です。

入江さんのお仕事の一例です。


▲高森駅前に保存してあったC12。
解体予定だったこの機関車を別の場所に移転させきれいに甦らせました。


▲こちらは山口県美祢市のC58です。
きれいに復元したのはもちろんですが、その後のお手入れを定期的に行っています。


▲福岡県直方市で閉鎖されたいこいの村にあるD51。
きれいにして、皆さんでお掃除。

公園の機関車もこのぐらいきれいになれば保存車両として輝いてくるでしょう。

50年前の人たちが後世のためにと思って蒸気機関車を保存したのです。
その当時の方々が皆さん居なくなって入れ替わりました。
ということは、自分たちの世代がきちんとやっていかないと、後世につながりません。
だから、少しでも地域の皆様方やちびっ子たちにかかわってほしい。
そうすることで、日本の近代化を支えた機関車が1両でも多く後世に残るだろう。

これが入江さんの考え方です。

私も同じ考えで観光急行などの国鉄形車両や、直江津D51レールパークを展開していますから、入江さんは同志なんです。
そんな入江さんが、九州鉄道記念館で保存機関車の写真展をやるというので、私はちょぅど佐賀への出張もあたので、昨日お伺いしたのです。


▲入江さんと私。

入江さんが復元した機関車はまるで現役の機関車のように見えますね。
地域のシンボルになってきていると思います。

もちろん入江さん一人でできることではありません。
直方市の汽車倶楽部という鉄道を愛する人たちが一緒になって皆の力でやっています。

私もD51レールパークをやってみて思うのですが、蒸気機関車って、今の時代、お爺さんたちだけのものじゃないんです。
50年も前に全国から消えた蒸気機関車をノスタルジーだけで後世につなげることはできません。

若い人たちには若い人たちなりの蒸気機関車の「見え方」があるはずで、それを掘り下げていかないと、公園の機関車だって残れないと思います。

でも、構内走行だけですが、D51をゆっくりと走らせてみると、ちびっ子たちや若い女性たちも興味を持ってくれる。
そういうことが目の前で日常的に展開されるのですから、つまりはそういう使い方があると私は思うのです。

入江さんはボランティア、私は事業として機関車とかかわっていますので、同志といってもアプローチの方法はまったく違いますが、一つだけ言えることは、60になっても好きでいられるモチベーションを与えてくれた当時の大人たちに感謝をして、次の世代を育てていくことが1つの使命なのではないかと感じました。

九州鉄道記念館には懐かしい車両がたくさん保存されています。
私にとっては懐かしい車両ですが、ちびっ子たちの目にはどういう風に映るのか、私には興味があります。

C59という機関車は、私には間に合いませんでしたので現役時代を知りません。
でも、私の目で見たらパシフィック(2C1)形の機関車の中ではこのC59が一番美しく、これこそが貴婦人だと思います。

同じように、保存されている485ボンネットや583電車寝台などを、現役当時を知らない人たちが見たらどう見えるのか。後世につなげるにはどのように経験してもらう必要があるのか。

そんなことを考えました。

保存機関車に息吹を吹き込む入江さんの写真展は6月11日まで開催中です。

皆様ぜひご覧ください。