最近乗ってみたい列車

正直申し上げて、最近乗ってみたい列車ってありませんねえ。

私の場合、全く個人的な意見ですが、長距離を走る鈍行列車か急行列車が好みです。
欲を言えば機関車がけん引する旧型客車。
まぁ、それは無理だとしても、急行電車なら窓が開く。
実際には開けないと思いますよ。
冷房ついてるし。
でも、窓が開くんだ、という気分が良いのです。

昔、私は冷房が少し苦手でしたから。

そういう列車に乗って、どこまでも走って行きたい。
いつまでも乗っていたい。

お尻が痛くなるのは当然の事。
居眠りしても寝過ごすことがない列車。

目が覚めたら海が見えたって焦りまくるような列車じゃなくて。
(はくたかで寝過ごして糸魚川へ行ってしまったことですよ。)

そんな気分の時には昭和の時刻表を見るんです。

例えばこの列車。
東北本線の123列車。

上野を11:19に出る普通列車の一関行。
牽引機は厳ついEF57。
客車は8両ぐらい付いていて、乗るのは当然のように1両目。
でも、編成を見渡して、中間にスハ32が連結されているとそこに乗る。
上野駅の13番線のホームに停まっている列車を見渡すと、スハ32は小窓だからすぐにわかる。
リベットも打ってあるし。

レールパークに入ったおいらん車の原形の戦前型客車です。
大好きでした。

当時はスマホもタブレットもないから、汽車に乗る時は文庫本を数冊。
そのうちの1冊は愛読書だった中原中也の詩集。

汚れっちまった悲しみと共に汽車は上野駅を後にするのです。

黒磯で6分停車は機関車の交換。
6分でちゃっちゃとやってたんですね。

郡山で15分停車。
15分あればそばが食べられる。
福島でも14分停車。
このあたりで夕食の駅弁を仕入れておかないと喰いっぱぐれるな。

そして終着の一関には22:42の到着。
上野を出てから11時間半ですけど、このぐらいは軽いもんです。

一関では駅を背にしてロータリーを出た左側の旅館に泊まった。
大きなガラス戸を開けて入る昔ながらの旅館だった。
まだあるかな。

山陰本線の824列車。
これも乗ったな。
下関を朝5:42に出る。
新大阪からの寝台特急「彗星2号」で早朝の下関に降り立って、しばらくすると関門トンネル専用の銀色の電気機関車に引かれて入って来た。
ここで機関車の交換。
先頭に付いたのはDF50。

「な~んだ、D51じゃないのか。」

ということで、7両ぐらい付いていた客車の一番後ろに乗車。
なぜ一番後ろかというと、この列車は長門市までの間、いくつかの駅で下関行きの列車と立て続けに交換する。
そして、その下関行きの列車の先頭は全部の列車がD51だったから、一番後ろに乗ると、交換駅で行き違いの列車の機関車がすぐ横に来るから。

吉見、黒井村、長門二見などで立て続けにD51けん引の客車列車とすれ違うという夢のような展開。
612,614,470,837
すれ違った機関車の番号は今でも覚えている。

長門市では14分停車して前2両の切り離し。
向こうの扇形庫にはたくさんのD51が煙を上げているので、跨線橋を渡って反対側のホームへ。

あ~、ずっと乗ってたいなと思いましたが、この時は東萩で下車して、その後もう一度長門市へ戻ってから、午後の828列車に乗り換えたのでありました。

なんてことを時刻表を見ていると思い出すのでありますが、そういうず~っと乗ってられる列車に乗りたいなあと思うのであります。

まぁ、令和の時代ですから、そんな列車はなかなかないのでしょうけど、私の場合は職権というのがありますので、ちょっと乱用することで、そういう列車を走らせることができるじゃないか。

ということに気が付いたのが一昨年。

よし! ということで、今、こういう列車が走るのであります。

ゴールデンウィークは夜行列車が2晩走ります。
日中の観光急行と組み合わせると、朝から朝まで、ずっと乗ってられます。
駅弁もいいけど、熱々の釜飯も、アイドルとコラボしたケーキも食べられます。

これが昭和の国鉄と違うところ。

どこへ行くわけでもありませんが、約100㎞の区間を行ったり来たりしているだけですけど、東京から青森へ行ったり、大阪から九州へ行ったり、そして着いたらそのまま帰ってくるぐらいの昭和の列車体験ができるのです。

途中の停車時間もたっぷりありますからね。
夜行列車は完全予約制ですが、日中の快速、急行は予約なしでも乗れますし、とにかくずっと乗っていられる列車が走るのです。

こんな列車には遠く及びませんが、ゴールデンウィークは、令和ですから令和なりの昭和をお楽しみいただきたいと思います。
自分で言うのも何ですが、3000円のトキ鉄ツアーパスで1日中乗ってられるのですから良心的でしょう。
なぜなら、若い人たちに乗ってもらいたいから。
私がそうだったように、若い人たちに乗ってもらって、後世に語り継いでもらいたいからです。

特に他へ行かれるご予定の無い方は、ぜひ、直江津にお越しください。

D51の汽笛も聞こえる町。
それが直江津です。

▼えちごトキめき鉄道 観光列車ご予約サイト
https://reservation.echigo-tokimeki.co.jp/