「社長、相当疲れがたまってると思いますよ。ゆっくり休んでくださいね。」
私の秘書の池田さんがこう言います。
「いや、大丈夫。」
そう答えるとちょっと怖い顔になりまして、「社長に何かあったら私が会社から怒られるんです。」と、口には出さないけれど言いたそう。
この場合「会社」というのはたぶん専務のことで、今、新潟県はものすごく有能な方を専務として派遣してくれていて、たいへん物事が進みやすくなっているその方のことですが、専務曰く「社長は外へ出て攻撃の先頭に立ってください。私は会社の内部体制をしっかりと整えてサポートします。」
そして、「社長の仕事のスタイルには秘書が必要です。」ということで、去年から池田さんという敏腕秘書を付けてくれておりまして、つまり、秘書という名の監視役だと私は理解しているのですが、その池田さんが私のスケジュールをきっちり管理してくれていて、「このあいだ休んだのは14日ですから。」
ほう、そんな前か。
株式会社の取締役というのは24時間365日が仕事だというのが当たり前ですから、いつ休んだのか? そんなことはどうでもよろしい。
「まあ、お気持ちはわかりますが、体は若くないですから。」
なかなか正直。
ていうか、事実。
例えば、昔、よく歯が痛くなってたけど、最近痛くない。
ぎっくり腰とかやったけど、最近ないね。
てか、これ、消えてなくなったのではなくて、体が老化して神経が感じなくなっているだけですから。
ということを昔誰かから聞いたことがある。
で、ふと思い出した。
莫迦はどうして莫迦なのか? ということ。
ここからは自説ですから、反論のある方はいちいち反論せずにスルーしていただければよろしい。
莫迦というのは、人の話を聞かない人です。
基本的に人の話を聞かない人間は莫迦になります。
莫迦はたいてい一家言持っていて、何かにこだわりがあって、「これだけは譲れない」とか言っていて、とにかく人の話を聞かない。
世の中には必ず先人というのが居て、人生至るところ青山(せいざん:あおやまじゃないよ)があって、他山の石があるのですから、そういう人たちの教えを素直に聞いた方が手っ取り早いし、時間の節約にもなるし、成功に近い。
にもかかわらず、莫迦というのはそんなことはつゆ知らずとばかりに我が道を行く。あるいは持論を曲げない。
だからたいていどこかで引っ掛かって、躓いて、そのうち時間ばかりが過ぎて、人より遅れて行って、さらにそうやってくすぶっている自分に気が付かない。
だから莫迦なんです。
と、私は声高にそう宣言します。
寅さん映画の中で、新珠三千代に惚れた寅さんが、その気になって、でも考えてみたらわかりそうなもんだけど、舞い上がったところで、左卜全に「莫迦はお前だよ。」と言われるあのシーン(わからない人はごめんなさい。)
つまり、莫迦は自分で莫迦だと気付かない。
なぜか?
なぜお前はそんなに偉そうに言えるのか?
それは、私がその莫迦だからですよ。
時間が経って、年を重ねるとだんだんわかってくる。
過去形としての莫迦が。
皆さんもそうでしょう。
若いころを振り返って、「俺は莫迦だったなあ。」って思うでしょう。
年を取ってみると昔の自分が莫迦だったということがよくわかる。
ということは、10年20年経過したら、「あの頃俺は莫迦だったなあ。」と思うのですから、つまり、今、あなたは莫迦なんです。
こうして毎日せっせとあることないこと(ないことは書きませんが)、書いてる私も皆さんから見たら莫迦だなあと思われるでしょうし、莫迦だから面白がってくれているのかもしれません。
私にはそういうところに需要と言いますか、生きる道が残されていると肯定的に理解していますが、そういう莫迦の私から、莫迦のあなたへのアドバイス。
それはね、「人の言うことを聞く」ということです。
莫迦の欠点は人の言うことを聞かないということですから、人の言うことを聞けば、少なくとも未来に向かっての莫迦は多少修正できるのではないでしょうか。
子供のころ、親や先生の言うことを聞いておけば、障害物にもぶち当たらずに、もっと合理的で短時間で、すいすい生きて来られたと思うあなたは、人の言うことは聞くべきなんです。
ということで、閑話休題。
私は池田さんの言うことを聞いて、今日は一日まったりしてみました。
午前中ちょっとアポがあったのですけど、それが終わってお昼食べたら急に眠くなってきて、休みと言っても会社へ行かないだけか、別の仕事をしているか、連載物も抱えていてその原稿書きもあるし、今度の講演の準備もあるし、YAHOOニュースを書くための調べものもあるし、つまり私は「休んでない」と言われているので、きちんと言うことを聞いて、眠くなったので寝てみました。
時刻は13時半。
起きたら覚えてないけど、なんだか意味不明な夢を2つぐらい見ていた。
ふと目が覚めたらあたりはすでに薄暗く。
時計を見たら19時過ぎ。
しまった!
寝過ごした!
と思ったのですが、「いやいや、今日はこれで良いんだ。」と思い直して、テレビ見て、風呂沸かして入って、今、こうして莫迦の反省をしているのであります。
ということで全国の莫迦の皆様、人の言うことは聞くものですよ。
とりあえず、時間の節約と成果的向上が見られますから。
デカルトとかキルケゴールとか読んでみたって、結局わからないでしょう?
莫迦なんだから。
だから、人生で大事なのは、できるだけ早い時点で、「この人の言うことを聞いてみよう。」と思える師匠に出会えるかどうか、ということなのです。
簡単に言えば、そのために学校へ行くし、そのために行動するし、そのために友達を広げるんです。
そして、前進できる。
でもね、私は今まで親の言うことを聞かず、先生の言うことも聞かずに好き勝手やって来て、今までの人生、結果としては後悔しておりませんので、これからも多分このスタイルで行くでしょう。
なぜなら、それが莫迦というものなのです。
オヤオヤ
マイッカ
※写真と本文は関連がありません。
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