クライドファンディング開始のお知らせ

クハ455の検査を通すため、クラウドファンディングを開始することに決めました。

455・413系の観光急行電車は1年半前の2021年3月にJR西日本から譲渡を受けて導入しました。
この車両は交直両用でトキめき鉄道線内ならどこでも走れる性能を持っていることと、古い車両なので導入のための経費が安く抑えられること、つまり、投資金額の回収が容易であること、そして国鉄形車両を導入すれば集客に結びつくことは私は前職で実証済みでしたから、すぐに効果が出ると考えていました。

ところが2年前のちょうど今頃の取締役会で、「トキ鉄は赤字なのに新しい車両を購入するなんてことは、たとえ新車に比べて何十分の一の金額であろうともまかりならん。」と行政の代表の方々に言われてしまいました。

まぁ、当時は散々でしたよ。

お隣のあいの風で同じ413系が走っているというのに、同じものを導入して本当に人が来るのかとか言われて、つまり、馬鹿扱いですよ。

でも、私には国鉄形車両を導入して数字を上げて鉄道会社を立て直した実績がありますし、そういう実績を買って私を採用してくれたのでしょう、ということで押し切ったのです。
何しろ、鉄道に趣味がない人たちの集まりですし、お金儲けの仕方がわからない人たちですから。

ただし条件付きで。

その条件というのは、「検査期限は2年あるので、その2年間だけ走らせる。2年経ったら保存車両として別の使い方をする。」ということ。

でも、ご存じのように、私は検査期限の2年だけで運行をやめるつもりは最初からありませんでした。
そんな話をすると、「お前は取締役会でうそをついていたのか?」という人もいるかもしれませんが、このブログを読んでいるあなたがもしそう思われるのであれば、あなたはビジネスというものには向かないと思います。

なぜなら、ビジネスというのは先を切り開いていくものだからです。

でも、まぁ、コロナがすでに蔓延して緊急事態宣言が何度も出されていた時ですから、そんなときに新しい車両を、安いとはいえ2000万円以上のお金をかけて導入するのですがら、ビジネスを知らない人から見たら、「あいつは何を考えてるんだろうか?」と思われるのも当然で、第3セクターという公務員の集まりのような集団では、物事を打開するべく前に進めることができないという弱点があるわけですが、私としては、そういう弱点で壁にぶつかって身動きができなくなっている状況を打開するために自分が呼ばれていると考えますから、押し切らせていただいて導入に踏み切ったのであります。

このあたりの経緯は初めて明かすことかもしれませんが、公募の社長というのは即戦力として直ちに結果を出すことと、壁にぶつかって動けなくなっている状況を打開するために抜擢されているものですから、何もできないようであればそもそも「お前なんか要らないよ。」ということでありますから、私は物事を前に進めさせていただいたのです。

さて、そのようにして取締役会の反対を押し切って導入させていただいた455・413系電車ですから、私は最初から真剣に自分がかかわってきました。

春田さんが営業部長として君臨していましたが、ちょうどD51レールパークの開園と同時進行で、455の方が運輸局との調整や整備会社との調整、あるいは取引事業者との調整、商品作りなど課題山積でしたので、営業部長の春田さんに「春田さんはレールパークをやってください。私は455を担当します。2つの事業が同時なので、分担しましょう。」と相談しました。

本当であれば社長が営業部に直接乱入してくるようなものですから、いい気持ちはしないかもしれませんが、そこは私と春田さんの仲でしたので快く受け入れてくれまして、運転開始当初から私は毎日のように455に乗り込んでお客様の様子を現場で観察させていただき、それをもとにさらなる商品を作っていきました。

硬券や車内補充の急行券などから始まり、夜行列車の運転、「朝から夕まで455」や「クロザ」、釜飯やスイーツ、バル、「全駅停車の急行列車」といった商品作りを若手スタッフと一緒にやってきましたし、運輸部にお願いして名物の運転士さんを乗務させてもらったり、あるいは運輸部長自ら能生駅で笹寿司を販売したりと、考えられるありとあらゆることをやってきました。
中には「455神社」など、普通なら考えられないような賽銭箱などもやって来ました。

23日も酒盛り列車をやって、私も一日お供させていただきました。

そして運転開始から1年半が経過しているわけです。

さて、こうしていろいろなことを会社全体で一生懸命にやってきた結果、観光急行は計画以上に好調で、大きな黒字を出すことができました。
お賽銭だけで200万円ほど集まりましたし、コロナ禍に於いて、「よくここまで頑張りましたね。」という評価を先日、2年前に電車の導入を否定された取締役会で評価されるに至りました。
これは有り難かったです。

ということで、クハ455を何とか検査を通しましょうという雰囲気になってきているのですが、一応検査にかかる費用は2500万円ほど。
観光急行からあがった利益やお賽銭を足すと、あと500万円ほどで検査を通すことができるというところまで来たのです。

ということで、前置きが長くなりましたが、11月28日からクラウドファンディングをスタートすることになりました。

目標金額は500万円ですが、目標を越えることができれば、シートの張替えやトイレの洋式化など、昭和の面影を残しつつ、サービス向上のための変更も行うことができる予定です。

私は4年前にキハのクラウドファンディングを行いまして、おかげさまで成功させることができましたが、もともと、人様に頼るには、その前に自分が一生懸命努力をする必要があると考えています。

昨今、クラウドファンディングがブームのようで、中には自己資金がないまま始められ、クラウドで自己資金分も集めようというものもあるようですが、私のような昭和の人間はちょっと古臭いかもしれませんが、「まず自分で一生懸命やってお金を作って、自己資金では足りない分を世間様にお願いするのが筋だろう」と考えてきたものですから、痛い足を引きずって皆様にご心配をおかけしながらも、ニコニコしながらお賽銭箱を持って車内をまわって「お願いします。」とお金を無心してきましたし(笑)、そういう私の姿を見た若手のスタッフが、一生懸命頑張って、やっともう少しで検査費用の目処が立つところまで来ることができました。

そういう状況になりましたので、あと少しの部分を皆様方にお願いして、延命を実現しようというのが、今回のクラウドファンディングの趣旨となります。

サイトのURLなどが決まりましたら、またお知らせいたします。

11月28日開始です。

皆様、どうぞよろしくお願いいたします。