大人はみんな敵だと思ってた

昨日の只見線から会津若松で一泊し、今日も会津若松→郡山→大宮で乗り継いで戻ってきました。

でも、今日は糸魚川市役所でお仕事があったため、寝過ごしたわけではなく、意図的に上越妙高を通り過ぎて糸魚川まで行きました。

今日、糸魚川市役所で開催されたのは地元の糸魚川高校の生徒さんの発表会。
テーマは「日本一おもろい帰り道を考えてみたら最高だった。」

なんか、おもろそうじゃないですか。

でも、高校生たちは真剣にこのテーマと向き合い、限られた時間の中で、きちんとプレゼン能力まで磨いて発表したのです。

パワーポイントを使いこなしてね。

プレゼンを受けているのはそうそうたる地域の重鎮方。
つまりお爺さんたち。
そして、意地悪な質問をするわけです。
まぁ、教育的見地からなんでしょうけど、「そんなことを言ってるから日本の教育がこんなになっちまったんじゃないか。」というのが私の本音ね。

その老獪な質問に対して16~17歳ぐらいの高校生たちが、きちんと的確に答えているんです。
私が高校生だったら、「若者の話を聞きたいっていうから話してるのに、なんだそのいい方は。」と言っていたでしょうね。
いや、確実に言っていた。

なぜなら45年前の高校生はもっとひねくれていたから。
大学生は学生運動から三無主義に移行していく時期でしたが、高校生たちは大人に向かって「ふざけるな!」って言ってましたから。

でも、きちんと受け答えをしてくれた高校生が、最後の最後に言ったんです。

「この研究をするまでは、大人はみんな敵だと思ってました。でも、そうじゃない人がたくさんいるってことがよくわかりました。」

私は感動しましたね。

確かに私も高校生の時は大人はみんな敵だと思ってた。
でも、そうじゃない人がいるってことまでは気が付かなかった。

でも、今日発表してくれた彼らは、きちんとわかったんです。
これはすごい。
そして、えらい。

だから、問題提起された大人たちは、変な質問をしたりできない理由を並べたりしないで、どうやったらできるかを考えて、それを実行しなければならないのです。
なぜなら、それが60年以上生きてきている大人の仕事だからです。

伊達に年喰ってるわけじゃないだろう。
ということです。

では、今日のテーマは何かというと、放課後、学校からの帰り道にみんなで集まってだべったりする場所が無いから、何とか作りたいというプロジェクトです。

スーパーマーケットのイートインコーナーから「高校生は来るな」って締め出されちゃったらしい。
図書館で勉強していたら、地域の爺さんたちから、「お前らが勉強してるから俺たちの席がない。」と言われたという話を聞いて、私は直江津駅ホームの待合室を自習室にして皆様方にご利用いただけるようにしたのですが、糸魚川もそうらしい。

でもって、彼らの2つの提案は
1:学校の近くのえちご押上ヒスイ海岸駅が観光客が来るような駅にして、自分たちでおもてなしをして、それを地域の誇りにしたい。
2:そのえちご押上ヒスイ海岸駅の近くに公民館のような形で学校帰りの高校生が集まれる場所を作って、放課後のひと時をそこで過ごしたい。
ということ。

そのための役割分担や、障害となること。自分たちだけでは解決できないことなどをきちんと挙げてプレゼンテーションを行ったのです。

だとすれば、1についてはトキめき鉄道が一緒にやらなければならないことだし、2については行政が手を携えなければならないこと、ですよね。

ということで、去年できた新駅、えちご押上ヒスイ海岸駅は、地元の高校生の皆様方からこんなにも思っていただいていることがわかり、私はその場で「前進しましょう。」と約束をしてしまったのであります。

鉄道ですから、前へ進むのであります。

青春の思い出がトキ鉄になる。

ありがたいことじゃありませんか。

「大人はみんな敵だと思ってた。」

40年以上前の私の青春を思い出させてくれて、ありがとう。

おもしろい駅にしていきましょう。


▲1977年8月 高校2年生の私(左) 同級生の木村君と北海道旅行中