サイクルトレインのお知らせ

すでに発表はしておりますが、えちごトキめき鉄道ではサイクルトレインを開始いたします。

路線は日本海ひすいラインの直江津-市振間。
自転車を折りたたまずにそのまま列車に乗ることができるサービスです。
(乗車券の他に別途手回り品料金がかかります。市振から先、あいの風とやま鉄道区間内への自転車の持ち込みはできません。)

日本海ひすいラインの沿線には久比岐自転車道というサイクリングコースが整備されていますので、季節が良くなるとサイクルツーリズムの方々が多く訪れます。

この久比岐自転車道は国鉄時代の北陸本線の旧線の廃線跡を利用したコースで、基本的には平たん路線ですから初心者の方でも気軽に走ることができると聞いています。

でも、そこには難所が横たわっているのです。
その難所というのが言わずと知れた親不知・子不知の峠越えです。
新潟、富山県境のこの峠は昔から天下の剣と言われていたところで、鉄道はトンネルで抜けていますが、道路は洞門と呼ばれる険しい山道をくねくね曲がって走ります。

自動車で通っても恐ろしいところですが、そこを自転車でとなると危険が伴うことが予想されえるため、せめてその区間だけでも鉄道に載せることはできないものかと自転車愛好家の方々から相談を受けておりましたものを、糸魚川市さんが積極的に検討していただき、この春からトキ鉄で開始するものです。

直江津から糸魚川までは基本的には平坦で、久比岐自転車道が走りますので、糸魚川から市振までの峠越えの区間だけでも自転車を載せられれば、その先は富山県の氷見方面までサイクリングコースが繋がりますので、トキ鉄としても一番利用客が少ない糸魚川―市振間の有効活用という点も合わせて、ご協力させていただくことになりました。

すでにこのようなパンフレットも出来上がっておりまして、

時刻表にも日中時間帯の列車に青枠で「サイクルトレイン」という表示をひと月前から掲載しておりますが、桜の季節の多客輸送が終了してから開始する予定でおりまして、その桜がいまだ満開にならず、押せ押せになっているものですから、おそらくゴールデンウィーク前の20日前後からスタートできると思います。

サイクルトレインというと地方鉄道の場合大きく2つに分けられまして、
1つは、お買い物用の自転車を列車に搭載するサービス。
これは上毛電鉄さんや養老鉄道さんで実施されているものです。

もう1つは、サイクルツーリズムの一環として、サイクリストの皆様へ自転車を列車に載せて移動していただくサービスです。

これは、最初におことわりしておかなければなりませんが、前者の場合は駅構内のスロープやバリアフリー化の整備のために多額の費用が発生しますが、人口過疎地帯では需要があるかどうかがわかりません。
需要があるかどうかがわからないものに多額の費用をかけるプランはなかなか前に進まない可能性がありますので、トキめき鉄道で今回行うサイクルトレインは、あくまでもツーリズムとしてのサイクリストを対象に考えています。
(もちろん、沿線地域の方がお買い物用に自転車を載せるのは構いませんが、バリアフリー対応等にはなっておりませんので、ご自身で搭載していただくことになります。)

サイクリストの方であれば、自分の自転車を担いで山に登るような人もいらっしゃいますから、こちらでマンパワーを用意する必要もありませんね。

そうやってコストを掛けずに物事を前に進めておいて、需要があるとわかればそこに投資をしていくというのが私の考え方ですので、とりあえずツーリズム用としてスタートさせていただきたいと考えております。

実はハリウッドで賞をいただいた今話題の映画「ドライブ・マイカー」もこの親不知越えの峠道で撮影が行われているのですが、こんな道路をサイクリストの方々にお勧めはできませんので、この区間だけでもトキ鉄にご乗車いただいて、長距離のサイクルツーリズムコースとして、地元の観光戦略にも協力出来たらよいなあと考えている次第であります。