おめでとう!! 平野歩夢さん

冬のオリンピックで日本の選手たちが大活躍しています。

今日、感動したのはハーフパイプで金メダルを取った平野歩夢さん。
すごかったなあ。
滑りがとても美しかった。
本当にお見事でした。

でも、私はあんまりスポーツの世界というのが好きじゃないんです。
だから、オリンピックも夏冬共にほとんど見ない。
後でニュースなどでダイジェスト版を見ることがほとんどです。

その理由は、スポーツの世界にはびこる縦系列の社会が好きではないからです。

半世紀も前に選手だったようなお爺さんたちが協会とか委員会とか連盟とかを仕切っていて、そういう人たちの言うことをきちんと聞く人じゃないと代表に選ばれないというような、そんなイメージがスポーツにはあって、本当は選手が主役であるはずなのに、主役じゃないんですよね。

去年の東京オリンピックの時にも上部のオエライサンさんたちがガタガタしてましたが、そういうことに対して一切選手たちは口を出してはいけないし、自分の意見を言ってもいけない。そんな雰囲気が伝わってくるのがスポーツの世界だからです。

でも、私だって昔からスポーツが嫌いだったわけじゃありませんよ。
思い出すのは昭和50年の夏の甲子園。
習志野高校と新居浜商業の決勝戦。
キャプテンの下山田の活躍で習志野が勝利しました。
感動しましたね。

当時は素直に喜んでいました。

でも、その何年か後に、甲子園で外野フライが上がって、ワンバウンドしたボールがスタンドに入ったことがあるんです。
その時に外野の選手が追っかけて行って、追いつかなかったその選手の前でワンバウンドしたボールがスタンドに入った。
その判定がホームランだったんです。

すでにビデオカメラもあるし、誰が見てもワンバウンドしている。
でも審判の判定はホームラン。

そして、その外野の選手を含め、一切の誰もが審判に抗議しない。
どう考えたって、誰が見たっておかしいのに抗議しないんです。
いや、できない仕組みが高校野球にはあったんですね。

このシーンを見て私は高校野球だけではなく、スポーツそのものに興味がなくなりました。
今でもそうですが、甲子園のテレビ中継はきわどいシーンのリプレイはほとんどしない。
リプレイするとしてもしばらく時間を置いてから。
多分、そのリプレイを放送して良いかどうか考えてからリプレイを出しているのでしょう。
つまり、審判の誤審を表面化させないためだと勝手に邪推しているのですが、若人が青春をかけて臨んでいる一生に一度というような舞台で、大人たちが「黙って俺たちの言うことを聞け」的な運営をしていることに対して、腹を立てるのも損ですから見ないようにしているんです。

これに対して大相撲は物言いがつくと必ずビデオをリプレイして検証する。
百分の一秒単位でどちらが先に土俵の外に出ていたかをはっきりと検証して、きちんと勝敗を付けている。
だから、相撲は見る気がするのです。
相撲協会も決して力士が主役とは言えませんが、勝敗をフェアに検証するという意味では好感が持てるのです。

さて、今回のハーフパイプ。
新しい競技ですから、まずもって半世紀前に選手だったようなお爺さんたちがいない。
協会とか連盟とかはあるのでしょうけど、選手たちが自由に行動している。
他の競技はどちらかというと選手たちは上の人の話を素直に聞いて、反論してはいけない中で育ってきた感じがしますが、ハーフパイプでは金メダルを取った平野歩夢さんを見ると、そこら辺の兄ちゃんが人並外れて抜きんでた才能をフルに発揮した感じがして、ヘアスタイルも合わせてとても好感が持てるのであります。

皆さんおっしゃってますが、2回目の判定はどうしてもおかしいでしょう。
アメリカとカナダの審査員が敢えて低い点を付けた。
アメリカというところは愛国心が強いところですから、日米野球などの過去の例を見ても平気でそういうことをする傾向がある。

その2回目の判定に対して平野さんは金メダルを取った後に、「2本目の点数が納得していなかったので、そういう怒りが自分の気持ちの中で、最後の力になったのかなと」とコメントしています。

ハーフパイプという競技がこういうコメントをできる環境にあるということと、こういうコメントを平気でする人が金メダルと取ったということに、還暦過ぎのおじさんとしては、実にスカッとした気分になったのであります。

まだ24歳。
これから将来の活躍が期待できる人物です。
その人物を育て上げるという意味でも、マスコミの皆様を含め、私たちは温かく彼らの活躍を見守っていくべきではないでしょうか。

平野歩夢さん、金メダルおめでとうございました。

平野歩夢 悲願の金メダル「夢が叶った。全て出しきれた」【五輪スノーボード】】