今日は糸魚川市議会へお邪魔しました。

今日は糸魚川市議会にお邪魔しました。

糸魚川市、上越市、妙高市の3市の市議の皆様方の研修会でお話をさせていただきましたが、本当なら一堂に会すところを上越市と妙高市の方々はリモートでご参加いただきました。

トキめき鉄道を上手に使って地域をどんどん全国区にしましょう。

鉄道というのは地域の足と言うのはもちろんなんですが、それを前面に出して「我々は地域の足なんだ。」と鉄道会社の側が言うのはちょっと違うような感じがします。
そういう評価というのはお客様の方からしていただけることだからです。

だから、地域の足としてきちんとした仕事をするのはもちろんなんですが、それだけではダメで、鉄道が走ることによって、多方面から地域にとってプラスになるような存在にならなければなりません。

その一つが観光のシンボルであり、移住促進のための広告塔になることであったり、インバウンド集客のツールであったり、今の時代はリモート・ワ―ケーションとしての投資を呼び込むことであったり、そういうジャンルを鉄道がきちんと開拓していかなければ、いくら安全正確、ローコストで鉄道を運行していると言っても、いずれじり貧になって会社がなくなってしまう。
これが、今までのローカル鉄道が歩んできた道だからです。

だから、私は、今までのその方法で良くなっていればいいのですが、今までの方法で良くなっていないのであればそのやり方は変えるべきであると考えています。

その点では前例主義はダメなんです。
田舎は前例主義が得意技ですが、そうやってやってきたから衰退しているのです。

それと大事なことは、トキめき鉄道は並行在来線です。
並行在来線というのは国と取り決めた次のお約束があるのです。

1:新幹線の建設を開始するにあたって、それまでの在来線を県と沿線市がきちんと引き継ぐということを取り決めをしている。

2:JRは新幹線開業後、収益が見込めると判断した路線については引き続き経営することとする。
つまり、長野―篠ノ井間や九州の博多―熊本間のように、新幹線開業後も収益が見込めると判断したところは並行在来線となっていないのです。

3:JRが収益を見込めないと判断した区間について、県と沿線市が第3セクターとして経営を引きつぐ。

これが新幹線を通してもらうために地元が国と取り決めたお約束なんです。
そして、このお約束には何年間というような期限がない。

だから、赤字だろうが何だろうが、並行在来線はきちんとやらなければならないのです。

今、トキめき鉄道は「赤字だからけしからん。」というような言われ方をする場合がありますが、そういう時には私はこう言い返します。

「赤字ではないんですよ。並行在来線としてこの鉄道を維持するためのコストなんですよ。」と。

北陸新幹線の延伸で富山県、石川県、そして今度伸びる福井県もみんな新幹線が県庁所在地を通ります。
県庁所在地に念願の新幹線が来るとなれば、皆さん真剣になります。
並行在来線もそれなりの輸送量があります。

でも、トキめき鉄道は県庁所在地を通りません。
だから、輸送量も収益を見込めるほどではありません。
だから、並行在来線なのです。

収益を見込めれば、長野―篠ノ井間がしなの鉄道にはならずJRとして今でも残っているのと同じように、並行在来線にはならなかったからです。

ということを、地元市議会議員の皆様方がどこまでご存じか。
私は多くの方々がそういうことをご存じないのではないかと考えていますので、本日はそんなお話をさせていただきました。

赤字鉄道会社の社長が、「この赤字はしょうがないんだ。」
「この赤字は鉄道を維持するためのコストなのだ。」
というようなことを言うと、「何だお前は。」と言われるかもしれませんが、ここがスタートラインなのです。
そして、トキめき鉄道の場合は、そういうスタートラインに立った議論が、本来は開業前に十分に検討されるべき鉄道を維持していく仕組みづくりが、今まで十分になされてこなかったのですから、そういうお話をしましょうよ。というのが私の考え方であり、会社幹部の統一見解なのであります。


終了後、いろいろ質問に来られた市議の皆様と記念撮影。

終了後、少し時間がありましたので、久しぶりにキハ52の車内に入ってみました。
地元で活躍をしたこういう車両を大切にしているということは鉄道に対しての理解があるということですから、ありがたいことです。

直江津も糸魚川も「鉄道の町」として子供たちにきちんと社会科で教えているようですから、将来が楽しみなのであります。

本日はありがとうございました。