もったいない話。

公園などに保存してある機関車。
誰も管理してなくて、ボロボロになって、どうしようかという話があちこちで聞こえてきます。

ああいう機関車は一応国鉄から無償で貸与されたもの。
無償貸与というのは無料で貸してもらっているということですから、国鉄がJRになった今、所有権はJRにあるんです。

だから、「もう要らないな。」と思った自治体の皆様は、JRに「お返ししたいのですが。」と問い合わせをします。
すると、JRとしては今さら返してもらっても仕方がないので、「無償譲渡します。」となる。
でもって、地元に皆さんは、所有権を移転した状態になりますから、そこで初めて解体するということができるのです。

ところが、JRとしては、今さら返してもらってもしょうがないけど、勝手に処分してもらっては困りますから、解体をするのであれば譲渡しますという話になる。

いやいや、無償貸与していたんだから、解体するのであればJRが費用負担するべきでしょうとふつうは考えるのですが、相手は天下のJR。
「無理です。できません。やりません。」が得意技。
対する自治体の方はこういう交渉は初めてですから理論武装ができていない。つまりは赤子の手をひねる様なもので「厚生労働省の通達がありますから。」「そちらで何とかしてください。」とか言われたら、「そうですか。」としか言えないのであります。

いっそ、全国の自治体が徒党を組んで理論武装してJRに「お返しします。」と言えば道は開けるかもしれませんが、自治体というのは基本的には中小企業のようなものですからなかなか横のつながりがないわけで、そういう発想にはならないのです。

この町の場合、2両の機関車をJRから解体を前提に無償譲渡してもらって、その解体費用を計上したのですが、金額は2両で7200万円とのことです。

さぞかし45年前にこういうものを保存しようと決めた自分の親の世代の人たちを恨むんでしょうね。
余計なことをしやがってって。

いやいや、そうではなくて、この機関車、とても価値があるものなんですが、皆様方がわからないだけですから。
SLはともかく、電気機関車なんか鉄道文化財級なんですよ。

つまりは地域の宝物なんです。

45年前にこれを保存しようと決めた先人たちはその価値がわかっていた。
でも、今の人たちがそういうことがわからないからこんなになっちゃんてるんです。

そういう時はトキめき鉄道にお声をおかけいただければ、2両で6000万円で引き取って目の前から消して差し上げます。うちはそのお金で運んできて、きれいに整備して、将来の負の資産にならないようにアスベストもきちんと処理をして、レールパークにて保存させていただきます。

7200-6000=1200

そうすれば貴重な税金1200万円が節約できたんですけどね。

もったいない。

全国の自治体の皆様、要らない機関車がありましたら1両3000万円でお引き取り致します。
ただし、文化財として価値あるもので、なおかつそれなりの状態のものに限ります。
鑑定は私の方で行います。

そういえば、今、直江津にあるD51827も、数年前にこのブログで同じようなお話をしたことがきっかけで解体されずに直江津にやってきたのであります。

2016年12月8日のブログ
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