感謝状贈呈式@名立

ひすいラインの名立駅はトンネルに挟まれた小さな駅です。

でも、この駅は長年地元の皆様方から大切にお世話をされている駅なのです。

前職のいすみ鉄道時代は、地元の駅を守るということはある意味で当たり前のこととして考えられていました。
なぜなら、鉄道の成り立ちが、「国鉄が廃止すると言ったものを自分たちが引き受けた」という経緯があるからで、昔から今までも、地域の人たちが一生懸命頑張ってくれていますが、トキめき鉄道は並行在来線。
ということは「あなたたちが新幹線が欲しいと言ったから作ってあげたんだ。だから在来線は自分たちでやりなさい。」という国とのお約束で仕方なく引き受けたというのが基本的な並行在来線の誕生の経緯。

沿線の偉い人の中には、きっと、余計なものを押し付けやがってと思っている人もいると思いますよ。人の心の中はわかりませんが、状況的には、全国的にそういうことなのです。
でも、その押し付けられた感がある並行在来線ですが、トキめき鉄道に来て思うことは、ここでは、少なくとも地域の皆様方にとっては、私のそういう全国一般的な考え方はどちらかというとうがった見方であって、実は皆さん熱心に鉄道のことを考えていただいているということがよくわかります。

子供から大人まで、皆、トキ鉄が好きで、一生懸命応援してくれている。
えっ?ここ、並行在来線でしょう?

というような自分の考えが時として恥ずかしくなることがあります。

その一つがここ名立駅。

かれこれ10年以上、そう、JRの時代からずっと地域の皆様方が守ってきてくれているのです。

駅構内には毎日使ってくれている高校生への励ましのメッセージや、駅の歴史を写真付きで展示していただいていたり。
この駅から学校に通って、やがて巣立っていく地元の子供たちが、いつでも地元に帰って来たくなるような、そんな活動をしていただいている地元の皆様方へ、本日、感謝状と記念品を贈呈させていただきました。

こういう皆様方の活動を拝見させていただくたびに、いすみ鉄道沿線で長年一生懸命頑張ってくれている皆様のことを思い出します。
長年地道にコツコツと一生懸命活動している地元の皆様方は、きちんと評価されなければなりません。
これが私の考え方です。

もちろん、ここ、名立駅ばかりではありません。
トキ鉄のいろいろな駅で活動していただいている皆様方がいらっしゃいます。

今年で信越本線の開業から135周年。
つまりはそれだけ地域の歴史の中に存在しているわけですから、やはり、会社としての重みもあるのです。

これからも沿線地域の皆様方に可愛がられ大切にされる鉄道でありたいと思うのであります。

その名立駅の駅舎の中に飾ってあった1枚の写真。

おぉ、455だ。

皆さん、まもなくこの電車がやってきますよ。
それも、この駅が旧駅から移転開業した昭和44年当時の姿で。
どうぞお楽しみに。


Photo by HK