先月のことですが、日経新聞とスポニチにいすみ鉄道のワッペン列車の記事が出ていました。
▲ウェルビーイングの野口社長のFacebookページから
ワッペン列車でワ―ケーション!
うまいこと考えましたね。
列車の中で仕事をしましょうという企画。
ご希望のお客様にはワッペンをつけてもらって、1日中乗っていてもよいですよという新商品のようです。
「ワッペン列車」
この名前に聞き覚えがある人は皆さん50代以上だと思いますが、実に懐かしい響き。
そう、かつての国鉄にはワッペン列車という列車が走っていたのです。
先日来昔の時刻表の話ばかりで恐縮ですが、昭和44年(1969年)5月号。
ここにワッペン列車という記号の説明が出ています。
赤で囲った部分です。
まだ指定席のシステムが今のように稼働していなかった当時、座席指定ではないのですが、今でいう乗車定員制でしょうか。あらかじめ乗車駅でワッペンを配布(購入)して、ワッペンをつけた人が乗車できるというシステムがありました。
行楽シーズンの臨時列車や一部の帰省列車などでしたが、ワッペンを持っていると乗車できたんですね。
そのワッペン列車が数十年の時を経て帰ってきたような気がしました。
ていうか、そんな言葉自体すっかり忘れていました。
私の友人で妙高高原駅でテレワークを展開しているウェルビーイングという会社の野口社長さんがいすみ鉄道とタイアップして始めた企画です。
列車の中でパソコン広げて仕事をするなんて新幹線じゃ当たり前ですよ。
そういわれる方もいらっしゃるかと思いますが、そういうもんじゃないんです。
新幹線の中でパソコンに向かっている人って、出張先に着く前に資料をまとめておくとか、メールをチェックして返事を出さなければならないとか、皆さん切羽詰まっている人が多いと思います。
つまり、サラリーマンの悲しい性ですね。
でも、ワ―ケーションというのはそういうギリギリの人たちじゃなくて、もっと余裕がある、どちらかというとクリエイティブなお仕事の人たちに向いていると思います。
そういう人たちにとってみれば、考えをまとめたり、発想を転換したり、ローカル線の列車の中で、行ったり来たりしながら仕事をすると意外とはかどると思いますよ。
かくいう私も自分で撮影した前面展望映像をかけながら、ガタンゴトンという音を聞いて仕事をするのが嫌いではありません。
実は今も土讃線のDE10の映像をかけて、峠越えのエンジンの咆哮を聞きながらこれを書いていますが、せいぜい時速60~70キロぐらいで走る列車というのはなかなか良いものです。
ただし、座席でパソコンを広げるのは他のお客様から見たら迷惑と思われかねませんから、鉄道会社の側でワッペンを販売してそれを目印にするってのはアリだと思います。
マニアじゃ考えられない新しい発想ですね。
これからの季節はちょうどよいかもしれません。
お客様も少なめだし、紅葉も見ごろだし。
古竹社長さん、頑張ってくださいね。
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