いったい何が違うのか

現在発売中のちばマガジン「ぐるっと千葉」6月号にこの人が登場しています。

いすみ鉄道応援団長の掛須保之さんです。

今から10年前、私がいすみ鉄道社長に就任するとすぐに応援団を結成してくれて、それからというもの、ずっとずっといすみ鉄道を盛り立ててくれる役に徹してくれています。
もちろん、私が退任した後も、今まで通り、国吉駅で駅弁やポップコーンを販売してお客様を喜ばせてくれたり、各地でいろいろなイベントに参加してくれて、いすみ鉄道の宣伝をしてくれています。

地方創生が叫ばれる中、全国ではなかなかうまく行っていないところが多いと聞いていますが、いすみ鉄道応援団はどうしてこんなに盛り上がるのでしょうか。

違いはなんなのでしょうか。

今、いすみ鉄道を離れて冷静に考えてみると、その大きな要因はカケス団長の人間性であることは間違いないと思います。

では、その人間性って何かということですが、

立派な人格者である。
勉強がよくできる頭の良い人である。
誰からも慕われる人間性である。

いろいろ考えられるとは思いますが、実はカケス団長の場合、どれも当てはまりません。

勉強ができたわけでもなく、学級委員とか生徒会役員だったわけでもなく、親の言うことを聞いていた良い子だったわけでもなく、友達にやさしい子だったわけでもありません。

だから、人間性といっても、いわゆる一般的な良い子でも良い人でもありません。

では、何が違うのか?

それをずっと考えていたんですが、この本に答えが書いてありました。

これです。

「愛と覚悟」

カケス団長が他の人と違うところ。
「愛と覚悟」が有るか無いか。

田舎の町で地方創生がうまく行くか行かないかの分かれ目は、この「愛と覚悟」があるかないかだと思います。

都会からやって来て、「だから田舎はダメなんだよ。」的なことを言う人はたくさんいます。
そういう人に向かって、「じゃあ、お前がやってみろ。」というと、「やるのはあなたです。」という人がほとんどです。
都会からやって来て、偉そうなことを言う人たちが、うまく行かないのはそこだと思います。
だいたい地方創生でうまく行かないのはこのパターンです。

私は、いすみ鉄道の社長になった時、「おもしろそうだったから」何でも自分でやってみました。
列車に乗り込んでアナウンスしたり、駅弁開発して駅弁大会に泊まり込みで行ったり、レストラン列車にも最初の頃は自分で乗り込んでお客様にワインを注いで回りました。
口よりも先に手を動かすのがポリシーだったので、そういう意味ではカケス団長とも喧々諤々と意見を交わしましたが、「じゃあ、お前がやってみろ。」と言われることはありませんでした。

自分でやるということが、カケス団長の言う「覚悟」なんだと思います。

鉄道会社の社長なんてお高く気取っているほどえらくもなんともありません。
こうしてカケス団長をはじめ、地域の人たちが一生懸命支えてくれる。
そう、地域の皆様方が主役なんです。

昨日久しぶりにカケス団長に会いまして聞きました。

「今度の部長、まだ挨拶にも来ないよ。」

だって。

県の元職員らしいですけど、きっと偉いんでしょうね。
国交省から県に派遣されてきている人とか、偉そうにしてるんだろうなあ。
新年度が始まって2カ月たつのに、これだけ活躍して、頑張っていすみ鉄道を支えてくれて来ているカケス団長に挨拶にも来ないなんて、やっぱり偉いんでしょう。

「お前の方から挨拶に来い!」ってのがポリシーなんでしょうか。

ダメだな。

そういう連中は考え方を変えていただくか、ご本人をチェンジするかしないと思いますがいかがでしょうか。

私の友人の霞が関の偉い人もこのブログを読んでくれていますので、この場を借りて申し上げておきます。
「ダメだ、あいつは。」

考えてみたら、一生懸命国吉駅で駅弁を売ってるのにダイヤ改正で停車時間1分になっちゃったし。
別に自分が儲けようとしてやってるわけじゃなくて、いすみ鉄道のお客様に喜んでいただけるように、こんなかぶり物をつけて何年も頑張っている人に対して、「駅弁を売れなくしてやろう。」と言わんばかり。
本当に偉そうなんだよね。

でも、古竹社長さんはキハの価値も理解してくれているし、ちゃんとした人なんですけどね。
何がおいねえのでしょうか。
いや、誰がおいねえのでしょうか。

団長、頑張ってください。

「愛と覚悟のおもてなし」

応援していますよ。

ということで、ぐるっと千葉、皆様どうぞ買って読んでください。

団長の求心力で皆が笑顔になるいすみ鉄道の一コマ。