妖精の森の内緒ばなし

先週、北海道の花咲線(根室本線の釧路―根室間)に乗ったお話をしました。

 

 

千葉県が30度近くあった日の翌日、花咲線の気温は6度。

日本とは思えないような別世界でした。

 

 

列車は人里離れた森の中を走っています。

 

 

 

車窓風景はこういう感じ。里山ではなくて、ほとんど人の手が加えられていないような原始の景色です。

私は駅弁を食べて少し眠くなってしまって、車内でうとうとしていました。

すると、誰かがひそひそ話をしているのです。

 

「おや?」っと思って車内を見まわしましたが、誰もお話をしている人たちはいません。

そもそも車内は乗客もまばらで、こんな感じでした。

 

「おかしいなあ。」と思いつつも、目をつぶって再びうとうとすると、また声が聞こえます。

 

ふと窓の外を眺めてみると、

 

こんな原生林の景色が続いているだけでしたが、よく見ると、

 

あっ~!

 

 

森の妖精たちがみんなで集まって集会を開いていました。

 

でも、誰一人、私のことを見向きもしません。

一生懸命何かを相談しているようです。

 

 

 

列車が進むにつれて、あっちにもこっちにも。

やっと雪が解けたけど、夏になって緑の草の背が高くなると、また消えてしまう。

今だけ、この季節だけ顔を出すことができる妖精たちが、一生懸命ひそひそ話で内緒の相談をしているのでしょう。

 

これが花咲線で得た一番の収穫でした。

 

すごかったなあ。

ニョロニョロの集会を目の当たりにしたみたいでした。

 

いすみ鉄道沿線は里山だし、人の手が入っているところがほとんどですが、こちらは原生林ばかり。

ずっとずっと昔から、こうして妖精たちがひそひそと内緒話をしてきたんでしょう。

いすみ鉄道沿線は、妖精ではなくて妖怪たちがいっぱいいるようですが、北海道には妖怪はいません。

北海道にいるのは、妖精たちばかりなんですよね。

これは大きな違いです。

だから、もしかしたら、本当のムーミン谷というのはこういう原生林の中にあるのかもしれません。

 

そんなことに気づかせてもらった花咲線の旅でした。

 

世の中ゴールデンウィークの真っ最中ですね。

皆さんはどんな妖精を見つけることができるでしょうか。

楽しみですね。

 

私はいすみに泊まり込みなので、今から妖怪たちとの夜の集会に出かけることにします。

繰り返します。

いすみ鉄道沿線にいるのは、妖精ではなくて、妖怪ばかりですから。

 

名付けて、妖怪千葉!