明日12月2日(土) 朝7時20分ごろから、フジテレビ系列の「めざまし土曜日」で国吉駅のタコ飯弁当が放映されます。
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先日、国吉駅で撮影が行われたようです。
詳細につきましては、どうぞ番組をご覧ください。

国吉駅の駅弁は皆さんご存知のカケス団長が立ち売り販売しているのですが、彼はこのお弁当にとてもこだわりを持っているんです。
こだわり:その1
いすみ市の大原漁港はタコの水揚げが盛んです。
太東崎の沖には器械根と呼ばれる岩礁地帯が海底にあって、入り組んだ地形にたこが生息していて、えさが豊富なため、とても質の良いタコが水揚げされます。このタコ飯は、そのいすみ市のタコだけを使っています。
こだわり:その2
団長は旅館のご主人ですが、いすみ市の宿泊業組合で、タコ飯のレシピを作りました。その宿泊業組合のレシピで作っていますので、つまり、プロの味なのです。
こだわり:その3
おかずも地元のものを中心、地魚で作ったさんが焼きや、団長自らが焼いた玉子焼きなど、手作りにこだわっています。
こだわり:その4
ロスを出さないこと。
食べ物商売というのは、必ずロスが出るものです。
つまり、余ってしまったり、売れ残ったりして、廃棄する分です。
通常は、この分をコストに組み入れますから、どうしてもコスパが悪くなります。
ところが、このお弁当はロスを見込んでいません。
つまり、絶対に売り切るという覚悟で販売しています。
だって、食べ物ですからね。
あらかじめ廃棄する分を見込んで作るなんてことは、彼にはできないし、私も反対です。
だから、基本的には土日祝日のみの販売で、それでも天気予報を見ながら、いくつ作ろうか、毎週頭を悩ませています。
こだわり:その5
程よい大きさであるということ。
旅というのは、いろいろなものを食べる楽しみがあります。
最近は駅弁も豪華絢爛になって来ていますが、駅弁はあくまで駅弁。
いろいろおいしいものを食べる中の一つなんです。
だから、程よい大きさでお値段も手ごろ。
他のものも食べられるように配慮しています。
おいしいものを少しだけいただくということは、旅の途中の食事としては大切なことなんです。
こだわり:その6
立ち売りで売るということ。
「べ~ん~と~」と威勢よく声を張り上げて、列車が到着したホームで販売しています。
これは彼がパフォーマーだからではありません。
団長自身の子供の頃の思い出があるからです。
当時、東京へ連れて行ってもらう時に、大網の駅で立ち売りの駅弁屋さんがいて、お母さんから駅弁を買ってもらうのがとても楽しみだった。
だから、自分もこうして立ち売りで駅弁を販売して、皆さんに思い出をいっしょに持って帰ってもらおうということなのです。
そうすれば汽車旅文化が次の世代につながるのではないか。
そう考えているのだと思います。
以上、6つのこだわりで、この週末も国吉駅のホームに「べ~ん~と~」の声が鳴り響くのです。
そしていすみ鉄道社長としての私のこだわりは、
・弁当を買えるように窓の開く列車であること。
・弁当を買えるように停車時分を設けること。
であります。
考えてみたら、本業があるにもかかわらず、土日に朝早くから弁当を作っているのです。
少量生産だから、どうしても手間もコストもかかります。
地元のタコを始め、地元の食材にこだわっていますから、割高な材料を使うことになります。
だから、これは利益を得るための仕事じゃないんです。
みんなに喜んでもらうための仕事なんです。
田んぼの中の無人駅で、駅弁売ってどうするんですか?
そう考える人もいるでしょうね。
シーズンオフにはせいぜい1日に15個が精いっぱいですから。
利益を得るためならやめた方が良いのです。
でも、別な考え方をすると、ローカル線の田んぼの中の無人駅で、駅弁が1日に15個も売れるって、すごいことだと思いませんか?
シーズン中だと40個も50個も売れるんです。
長編成の列車ならともかく、いすみ鉄道は1両か2両。お昼の時間帯に限れば、3~4本の列車しかないんですから。
それはすごいことだと私は思います。
おそらく、日本広しと言えども、他にはないと思います。
ということは、この駅弁は「日本一の弁当」と言えるのではないでしょうか。
皆さん、国吉駅に来たら、一度はたこ飯弁当を食べてみてくださいね。

大網の駅で駅弁を買ってもらったのは、かれこれ50年近くも前のことです。
そう考えると、今、国吉駅に遊びに来る子供たちの思い出に残るということは、日本の鉄道文化が50年後にも語り継がれるということなのです。
だとしたら、これはとても素晴らしい仕事であって、きちんと評価されなければなりません。
テレビで紹介されるということは、その、きちんとした評価の一つだと私は考えています。
団長、ありがとうね。
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