去年の秋に女優の黒木瞳さんとラジオの番組で対談させていただきました。
黒木瞳さんは皆さんご存知のきれいな女優さんです。
その対談の席上で、「私は矢部線という路線で学校へ行ってましたが廃止されてしまいました。」とおっしゃられましたので、「いすみ鉄道も矢部線と同じ国鉄の赤字ローカル線だったんですが、地域の人たちが守ってくれて、今でも走ってるんですよ。」と申し上げました。
「国鉄時代の車両を今でもそのままの状態で走らせていて、昭和の国鉄を味わえる情緒がありますよ。」と私の言葉に、黒木瞳さんは、
「行ってみたいです。こんど乗りに行きますね。」
と答えてくれました。
そして、その後しばらくしてから、社交辞令ではなくて、実際にいすみ鉄道に乗りに来てくれました。
このあたりの経緯は去年のブログに書きましたので、ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、黒木さんはそのすぐ後にもまたいらしてくれました。
大女優さんが2度も続けていすみ鉄道にいらしてくれて、実際に列車に乗られているのを見て、いすみ鉄道のスタッフも「????」と思ったでしょうね。
でも、彼女の頭の中には、大きな構想があったのです。
そして、その構想というのは、私と彼女が同い年で、同じ時代を過ごしてきたということがとても大きい引き金になったことなのです。
ネスレシアター「わかれうた」(←黒木瞳さんが監督されたショートムービーです。)
どうぞご覧ください。
主演の石野真子さんも同い年。
大人の恋の物語です。
私たち昭和35年組は、こういう時代を生きてきて、学生の頃の思い出のシーンの必須アイテムは「国鉄形」なんですね。
映画監督としての黒木瞳さんは、私との対談で、おそらくピンとくるものがあったんでしょう。
「国鉄形」に「これだ!」と思われたんだと思います。
そして、すぐにいすみ鉄道にやってこられて、頭の中でイマジネーションを膨らませて、この甘酸っぱい映画が出来上がったんです。
つまり、私たちの心は、この一瞬で繋がっていたということなのです。
黒木瞳さんと私が同じイマジネーションを膨らませて、同じようにつながった。
ということにしておいてください。
何しろ、「大人の恋の物語」ですからね。
ネスレのホームページ上だけの公開です。
ぜひご覧ください。
大多喜町内でのロケですが、大多喜のおじさん、おばさん、おじいさん、おばあさんにも見てほしいです。
自分たちの町を映画監督である黒木瞳さんが見ると、こう見えるということですから。
ある意味、この映画は大多喜町の勲章だと私は思います。
黒木瞳さん、素晴らしい作品をありがとうございました。
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