三重県津市に行ってまいりました。
皆様よく御存じの、あの日本一短い駅名の「つ」です。
三重県の副知事さんや、近鉄を始めとする各鉄道会社の偉い方々、地元行政の交通担当の課長さん方とお話をさせていただいてお仕事は終了したのですが、せっかくここまで来たのだから、やっぱり松阪まで行かない手はないだろうと、快速「みえ」に乗って松阪へ向かいました。
目的はもちろん、松阪の牛肉駅弁です。
わずか15分ほどの時間でしたが、快速「みえ」は素晴らしい走りで、気動車とは思えないほどきびきびと俊足ぶりを発揮。近鉄とJRが併走しているというか、駅まで一緒の区間ですから、お互いにかなり意識をしているのでしょうね。あっという間に松阪に到着しました。
運転再開した名松線の伊勢奥津行がポツンと停まっている昼下がりの松阪駅。
昔ながらの駅で、「いいなあ」と思います。
私がバックパッカーだった頃の国鉄の駅はたいていこんな感じで、構内やホームにはたくさんの人がいて、ディーゼル急行や旧型客車の列車が到着すると、駅弁売りのおじさんが「べんと~、べんと~」と売り歩いていました。
今は駅弁の立ち売りをやっている駅はほとんどなくなりましたが、当時を知っているカケス団長がいすみ鉄道の国吉駅で駅弁の立ち売りを再現してくれているのがうれしいところです。
さて、お目当てはこちら。
あら竹さんのお弁当です。
売店を見ると、結構鉄分濃いですよね。
キハ82の「南紀」の写真がドーンと目に飛び込んできました。
で、よく見ると、お目当ての「モー太郎弁当」は品切れ。
じゃあ、お隣の牛肉弁当にしようかなあと思ったんですが、この牛肉弁当は前に食べたことあるので、ちょっと躊躇したんです。
右隣のモー太郎寿司も去年いただいているので、売り場のお姉さんに、「モー太郎弁当は・・・」と声をかけてみました。
そうしたら、私が最後まで言い終わる前に、「すぐ作りますよ。2分待っていただけますか。」とお返事が。
「じゃあ、お願いします。」と言って、改札口を出て、帰りの切符を買って、もう一度ホームに入って、上の名松線の写真を撮影していると、「お待ちどうさまでした。」とお弁当が届きました。
半端な時間なのに、わざわざ出来立てのお弁当を持ってきていただいたんです。
帰りは近鉄の特急電車。
車内でできたてのモー太郎弁当をいただきました。
うまかった!
税込1350円ですが、松阪駅の牛肉弁当ですからね。
コスパ的にも最高です。
最近は駅弁がブームになっているようですが、昔ながらの駅弁がだんだん少なくなっているような気がしていて、大きな駅で売っている駅弁は工業製品のような感じのものばかりが多くなっていると、昔の人間としては思うわけでして、だから、同じ思いのカケス団長や上総中川の傘や食堂さんにお願いして、いすみ鉄道のお弁当はできるだけ手作り感のあるものを販売していただいているのですが、ここ松阪駅のお弁当は100年以上前から「あら竹」さんが販売されているわけで、それでも、手作り感満載で、1つだけなのに出来立てを届けてくれるという、実に基本に忠実な駅弁屋さんだなあと、あらためて勉強させていただきました。
心がこもったお弁当は、おいしいですよね。
そして、やっぱり、旅の思い出は、おいしいものをおいしくいただくことなのではないでしょうか。
皆さん、やっぱり、旅に出たら、ちょっと奮発して、おいしいものを食べましょう。
あら竹さん、ありがとうございました。
ああ、思い出すなあ。参宮線のC57牽引の鳥羽行。
紀勢線のキハ28・58の急行列車。
そうですよ。松阪へは東京から寝台急行「紀伊」が「銀河」に併結されて出ていましたねえ。
EF58に引かれた10系寝台車が静々と東京駅を発車して行ったシーンが目に浮かびます。
皆さん、汽車旅をもっと大切にしましょうね。
単なる移動の手段だけではないのですから。
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