何の話だと思いますか?
「蟹」です。
函館で気付いたことなのですが、駅の近くの居酒屋に入ったんです。
ガイドブックにも載っている、有名な、繁盛しているお店です。
そのお店の中では観光客や地元のサラリーマンなどがそれぞれのテーブルでお酒を飲んだりつまみを食べたりしているのですが、その中で蟹を一生懸命食べているテーブルがあちらこちらにありました。
見ると、ほとんどが中国人です。
グループや家族で3~5人ぐらい。
鋏を使ったりして、むしゃむしゃやっています。
日本人のテーブルは、お酒を飲みながらお刺身の盛り合わせや、揚げ物や焼き物を食べていて、ふつうの居酒屋の風景です。
私たちのテーブルの両隣りも後ろの席も、みんな蟹を食べていて、蟹は無口になりますから、例のうるさい話し声も聞こえないのですが、それでも時々聞こえる会話から皆さん中国人だとわかります。
散々食べ終わって帰った後、隣りのテーブルのあと片付けをしている店員さんに、「その蟹、いくらですか?」と尋ねると、
「27000円です。」と答えが返ってきました。
すごい。
一匹の蟹に27000円出して、小一時間で帰って行ったのです。
次の日、有名な函館駅前の朝市。
以前とどうも雰囲気が違います。
もちろん多分中国か台湾から来た人たちばかりで、そういう人たちが約6割か、もうちょっと。
日本人は年齢の高いのツアーの人々が中心です。
で、何が雰囲気が違うのかというと、以前は試食をさせて、食べてもらって買ってもらう売り方だったんですが、その試食販売がめっきり減っていて、その場で食べさせるような商売が多くなっています。
その理由は、中国人は蟹やいくらなどの海産物は買わないからです。
夜の居酒屋ではお金を出して好んで食べているのに、朝市では買わない。
どうしてでしょうか?
函館の朝市で海産物を買ったら、皆さんはどうしますか?
旅行の最終日で、あとは飛行機や新幹線に乗るだけなら発泡スチロールに入れてもらって持って帰れますが、そうじゃなければ、自宅や知り合いの家に宅配をしてもらうと思います。でも、中国人だけじゃなくて、外国人観光客の場合は、それができない。
まさか、北京まで宅配便を送ることはできませんからね。
だから大きな蟹を買ってもしょうがないのです。これが、蟹を買わない理由です。
今は日本も流通がよくなりましたから、新鮮な海産物が都会でも食べられるようになりました。
だから、北海道に来たからと言って2万も3万も出して蟹を食べようという人は少ないと思います。
でも、外国の人たちとしては、旅先で食べるしかないわけで、「買わないけど食べる。」という現象が見られるというわけです。
もしかして直行のチャーター便が函館に飛んで来れば、きっとこぞって買い込んでいくのだと思いますが、次の目的地もどこかのホテルなはずですから、買ったところでどうにもならないのです。
行って自分の目で見てみると、いろいろ発見があるものですが、行かなければわからないというのは事実だと思います。
都内でも蟹を売り物にしているバイキングレストランがありますが、そういうレストランでテーブルに山のように蟹を積んでむしゃむしゃやっている人たちも、ほとんどは外国人ですから、そのあたりの見極めをできれば、需要が眠っているということがわかると思います。
ところで、私がなぜ外で蟹を食べないか。
外で食べると値段が高いのはもちろんですが、実は、理由はむかなければならないからです。
家でなら、テーブルの上にむいた蟹が出てきますからね。
カミさんはぶつぶつ言いますが、私としては楽チンだからです。
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