秋田内陸縦貫鉄道のサポーター

秋田県の第3セクター鉄道、秋田内陸縦貫鉄道は旧国鉄の角館線(角館―松葉)と阿仁合線(鷹巣―比立内)を転換し、未成線だった松葉―比立内間を完成させて繋いだ全長94㎞の長大路線で、「秋田美人ライン」という愛称で呼ばれている地域密着型の鉄道です。
秋田県の山の中は過疎地ですから、内陸線はご多分にもれず厳しい経営が続いていて、それにプラスして豪雪地帯ゆえ除雪費用など余計な経費が掛かるため、いつも廃線のうわさがささやかれているとても厳しい経営環境の路線です。
この秋田内陸線を支えるサポーターの代表格の大穂耕一郎さんという方の活動が、先週の読売新聞の夕刊コラムに5回にわたって連載されていましたのでご紹介したいと思います。
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▲少し斜めってますが、10月19日(月曜日)
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▲10月20日(火)
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▲10月21日(水)
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▲10月22日(木)
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▲10月23日(金)
大穂さんのことは私も良く存じ上げておりまして、この夏も阿仁合の居酒屋で一席を共にさせていただき、5回目に書かれている新車を購入するための寄付金のお話をお聞きしたところですが、とても熱心に地域の皆様を巻き込んだ活動をされています。
秋田県は首都圏から遠く、とても厳しい環境にありますが、だからと言ってローカル線を廃止にすることなく、現在まで何とか持ちこたえて、県を上げて頑張っているのが印象的ですが、ローカル線は鉄道だけの問題ではなくて、地域そのものの存続にかかわっているということを、気付いているのだと思います。
鉄道がなくなってもバスがあれば大丈夫、ということを全国でずっとやってきて、今地域がどうなっているかを考えてみると、秋田県は国鉄赤字ローカル線を廃止にしませんでしたから、これが「秋田びじょん」というものなのでしょう。
秋田へ行くたびに感じますが、秋田の人たちはとてもしっかりとしたビジョンを持っている。
厳しい冬を過ごさなければならない地域は、一人一人がきちんとしたビジョンで地域をどうしたいかを考えるということは、ごくごく当たり前のことなのでしょうか。
読売新聞の記者が、なぜ5回にわたって大穂さんの活動を全国紙で連載したか、ということも、そういう意味が大きいのではないかと思います。
でも、私の目から見たら、秋田内陸線は角館で新幹線に接続していて、鷹巣は北秋田空港(大館空港)まですぐのところですから、トレインツーリズムを展開しやすい鉄道で、いろいろな仕掛けをすることで、秋田県がローカル鉄道を観光鉄道化して外国人観光客を誘致して観光県、つまり日本のスイスになることは、それほど難しいことではないのではないかと思います。
観光というのは「通り抜けられる」ことが重要なポイントですから、その点ではいくら東京に近いとはいえ、秋田県より房総半島の方が外国人観光客誘致の展開としては難しいわけで、それでもその房総半島でいすみ鉄道が観光鉄道をやっているのですから、内陸線だって、やり方によっては大化けすると私は思うのであります。
大穂さんの活動が全国区になって、連載されて、私はとてもうれしい思いでいっぱいです。
大穂さん、そして内陸線沿線の皆さん、これからもお互いに楽しい世界を展開していきましょう。

▲地域の足。秋田内陸線ドットコム(どっと混む)の図
大穂さんが東京出身だということは存じ上げておりますが、蒸気機関車が走っていたから秋田の大学を受験したというのは初耳でした。
私が大学受験の時はすでに蒸気機関車は国鉄線上から消えていましたが、私が大穂さんと同じ年齢ならたぶん同じことをしていたと思います。
ということは、憧れの車両を走らせることで、都会からローカル線沿線への進学や移住希望者を増やせるということだと私は考えますが、皆様いかが思われますでしょうか。
大穂さんが企画運営する「くまのたいら企画」のホームページ。(赤い部分をクリック)
実は、いすみ鉄道で販売しているムーミン列車やキハの車両ペーパークラフトは、このくまのたいら企画さんで作ってもらっています。
ということは、いすみ鉄道のペーパークラフトをご購入いただくと、大穂さんのところに鉄道ファンのお客様のお金が流れていき、秋田内陸線の支援につながるということ。
商品というのはストーリーが大切ですから。
商売には色々なやり方があると思いますが、いすみ鉄道で私が展開しているビジネスにはきちんと筋が通っているのです。(って、ちょっと宣伝。)
ではまた明日。