台湾鉄道三昧の旅 2日目

昨日は台湾鉄道三昧の旅でいすみ鉄道が姉妹鉄道提携を結んだ「集集線」を訪ねたお話をしました。
私は仕事の関係で2泊3日のこのツアーの1日目の夜から皆さんに合流したのですが、2日目のこの日は早朝6時20分にホテルを出て、集集線に乗った後、台湾高速鉄道(台湾新幹線)の線路横にある展望レストランでお昼ご飯を食べました。
このレストランは高台にあってとても見晴らしがよく気分が良いところなんですが、難点が一つありまして、新幹線が約10分ごとにやってきますから、ゆっくり味わってご飯を食べている精神的余裕がないのです。
皆さんもご覧の通りで、たぶん何を食べたのか味は覚えてないんじゃないでしょうか。


[:up:] 展望レストランでおいしいランチです。



[:up:] 食事中でも「来た!」となると皆さんこの状態です。
鉄道三昧の旅ですから、これでよいのです。


[:up:] 食後は彰化にある機関区を訪れました。
ここには日本時代に作られた扇形機関庫が残されていて、鉄道記念物として公開されています。
一般の人に公開されていますが、ちゃんと使われている車庫です。
姉妹鉄道締結記念のヘッドマークを蒸気機関車につけて皆さんで記念撮影です。

[:up:] 台中運務段の蘇鎮霖段長さんが私たちを出迎えてくれました。
日本のJR風に言えば、台中支社の支社長さんです。
そんなえらい方が気さくに出迎えてくれるのも姉妹鉄道提携ならではですね。




[:up:] 日本人の印象では鉄道マニアの集まる場所と思われるかもしれませんが、台湾では女性グループやカップル、そして家族連ればかりです。
ディーゼル機関車がターンテーブルに載ってデモンストレーション。
皆さんとても自然なかたちで機関車の車庫を楽しんでいます。
鉄道がとても身近で自然な感じなのでしょう。
もちろん入場無料。
家族連れで行くと1万円札が消えてしまう日本の施設とは大違いですね。

[:up:] 機関庫の見学の後は彰化駅から急行列車「莒光号」に乗り夕御飯を食べる場所へ向かいます。
この莒光号は高雄発花蓮行の電気機関車が引く8両編成の客車列車で、約11時間かけて台湾西部幹線から台北を回って東海岸の花蓮まで走る庶民の列車。日曜日の夕方とあって列車はデッキ、通路まで立ち客であふれています。ドアが手動の昔ながらの客車列車です。


[:up:] デッキにも通路にもたくさんのお客さん。駅について降りるだけでも一苦労ですが、昔の日本の「十和田」「八甲田」「津軽」などの客車急行の混雑を思い出して懐かしくなりました。



[:up:] 急行列車「莒光号」に1時間ちょっと揺られてたどり着いたのは鉄道の保存車両を利用して営業しているレストランです。
海岸沿いにあって雰囲気のあるレストランでメニューは当然ですが「鉄道弁当」。台湾の駅弁は高級品はステンレスの弁当箱に入っているんですが、古い客車の中で食べるととてもおいしく感じました。
ふつうのツアーでは絶対に行かない場所を巡るのも「台湾鉄道三昧の旅」の楽しいところです。


さて、食事の後はホテルへ帰る道すがら、2つの駅に立ち寄りました。
日南駅と追分駅です。
日本にも九州と東北、北海道に同じ駅名の駅がありますが、この駅はどちらも日本時代の駅舎を今でも大切に使っている駅で、一見の価値があるところです。
日南駅と追分駅をわずか1時間ほどの間に2つ巡るのですから日本では絶対に不可能ですね。

[:up:] 追分駅では駅の出札窓口にツアー参加者が並んでいます。
夜の8時半過ぎに日本人が25人もやってくるのですから、駅の人はさぞ驚いたと思われるでしょうが、駅員さんは手慣れた手つきで切符を販売していきます。

そうです。この駅の隣の駅は「成功」という名前の駅で、「追分から成功ゆき」の切符は縁起切符として台湾でも大人気なんです。
もちろん硬券切符を販売しています。


そして待合室に置いてあるスタンプを切符の後ろに押す仕組みです。
スタンプが5~6種類ありましたから、全部押すためにはそれだけの枚数を買わなければなりませんが、私は2枚だけ購入しました。

朝6時過ぎにホテルを出て、戻ったのが21時過ぎですから13時間にわたる強行軍でしたが、皆さんバスの中でも終始和やかで、とても楽しい1日でした。
明日は軽便鉄道のSLに乗ります。