このところ交通機関の事故が続いています。
特急列車が火を噴いたり、スペインやフランスでは列車が脱線する大きな事故が発生したり、サンフランシスコで飛行機が炎上したかと思えば、昨夜は沖縄でヘリが落ちるし新潟空港でオーバーラン。
高速バスも火を噴いたりと、ここひと月余りを見ても、いろいろなところで小さいものから大きなものまで、交通機関の事故が集中しています。
私は長年航空機の運航管理に携わる仕事をしてきましたので、何となく胸騒ぎがするというか、本能的に、「こういう時は気を付けなければいけない。」と感じます。
1980年代から90年代にかけて、世界中で過去の事故を含む航空事故の分析が行われましたが、ちょうど私が運航管理の勉強をしていた時期でもありましたから、そういう資料をむさぼるように読んだ時期でもあります。
そんな中で、必ず書かれているのが、1つの大事故の裏側には何百ものインシデントと呼ばれる「事故の芽」が隠されているということ。
それが、人為的なものであれ、自然災害的なものであれ、必ず「事故の芽」というものがあって、「こういうことが積み重なると事故になりますよ。」と教えてくれている。
でも、せっかくサインを出しているのに、周囲の関係者がそのサインを見逃したり気づかなかったりするから重大事故につながるという考え方です。
最近の小さな事故が多発する事態は、大きな事故につながる兆候かもしれませんから、決して見過ごしてはいけないということなのです。
ということで、私は先日、社内で会議を開いて、車両の再点検と、業務上の取り扱い手順の再確認、そして、安全性に不安が残るところが見つかった場合は、手順を再度見直して新しく作り直すところまで、すみやかに、徹底的に行うように監督者に指示を出しました。
車両のエンジン回りの再点検はもちろんですが、取り扱い手順も含めて、気を抜かないように業務を実施していくことが大切ですから、「他山の石」を見て、自らのをもう一度見直すことが、今やるべきことだと考えています。
鉄道会社というのはインフラ会社ではありません。
鉄道会社はオペレーション会社です。
自分たちの会社をインフラ会社と考えるような社員が増えてくると、オペレーションで重大な事故が発生します。
それは、電力会社を見れば、一目瞭然なんです。
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