台湾鉄道三昧の旅 2日目

鉄道ダイヤ情報の助川編集長と私が同行する「台湾鉄道三昧の旅」。
そんなツアーやってどうするの?と言われそうですが、発売から一週間で30数席がインターネット告知だけで完売した恐るべきツアーです。
その台湾鉄道三昧の旅の2日目は台湾南部の高雄港駅跡にある鉄道故事館から。
地下鉄МRTを乗り継いでの訪問です。
ここは日本時代に日本からの船が着いた港で、台湾のサトウキビや材木などをここから日本へ送り出した場所です。
例えば、昔の靖国神社の鳥居は台湾の材木で作られましたが、そういう資材が運び出された歴史がある場所です。
日本で鉄道が開通してから140年ですが、台湾で鉄道が開通してからすでに120年だそうです。
ということは、新橋―横浜間に汽車が走ってわずか20年で日本は台湾に鉄道を作ったということですから、房総半島に鉄道が開通するよりもずっと前なわけです。
東京の上野―浅草間に地下鉄が開通した翌年にソウルの地下鉄ができているという事実もありますから、当時の日本が今の台湾や韓国にどれだけ力を入れていて、国を作っていったかということが、その事実からもわかるわけです。
そんなことを一生懸命説明してくれる郭さんは台湾国鉄のOBで、C57やD51などに乗務した後には指導運転士として長年鉄道一筋で勤め上げられた方。
日本に対する懐かしさと、鉄道だけでなく港も飛行場も日本が作ってくれたことに対する感謝の気持ちからでしょうか、いつもニコニコと私たちにとても良く接してくれています。

鉄道故事館入口。ここでも私たちのツアーを歓迎する表示を出していただきました。



ガイドを務めてくれている郭約義さん。
昭和10年生まれの筋金入りの鉄道マンで、今は鉄道文化協会で蒸気機関車の復元を目標に活動しています。
手にしているのは煙の色見本。この見本を通して機関車の煙を見ると、燃焼状態がわかるそうで、黒煙防止のスローガンの下、黒煙を30秒間以上出すと、乗務停止にされたなど、懐かしい思い出を語ってくれます。もちろん、流ちょうな日本語です。



MRTの車内も私たちが乗ると一種異様な?雰囲気。
ドアのレールを興味深そうに写真を撮ったりしています。
やだねえ、マニアは。
でも、そうじゃないんです。彼らはエンジニアで、ドイツ製のこの車両を見て設計思想の違いに気づいて興味深く観察しているところなんです。
でも、これ、ヨーロッパやアメリカでやってたらテロリストと間違えられて通報されます。


高雄を10:40に出る自強号に乗車して枋寮へ。
この車両は日立製のディーゼル特急。12両の長編成で圧巻です。


枋寮に到着。目的地についてもすぐに出口に向かわないのが我々の基本的習性。
皆さんカメラを持って列車を見送っています。


枋寮からは普快3671列車。
旧型客車で運転される貴重な列車で、今回の旅の目的の列車です。
ふと運転席を見る郭さん。
何やらニコニコ顔で会話するのは自分の教え子の運転士。
郭さんの教え子が運転する列車に乗れるとは我々も光栄です。


ホームの前方では皆様撮影中。
私の友人の岡野さんは旧型客車の前で記念撮影です。



今日の私たちのために専用車両を1両増結してくれました。
でも、台湾でここだけに残る旧型客車は、台湾でここだけの非冷房車。
外気温は34℃ですから、とにかくうだるような暑さです。
私の席のところは扇風機は故障しているし。



いよいよ発車です。
今回の旅のメインイベントである旧型客車の中で皆さんに召し上がっていただこうとい鉄揚げを持参しました。
オリジナルのしょうゆ味にカレー味、ソース味と3種類の味を列車の中で皆さんにお召し上がりいただきましたので、今後、皆様の記憶に台湾の旧型客車イコールい鉄揚げとインプットされること間違いなし。

お昼の駅弁です。(右)
左は枋寮名物のシラスのオムレツ。
このシラスのオムレツは予定には入っていなかったんですが、旅行会社さんからのサービス品。
とってもおいしかった。
今回の旅行では、夕食時のお酒など、本当は旅費に入ってないけれど旅行会社さんからサービスでいろいろお出しいただき、皆さん感激です。


郭さんの教え子が運転する列車は景色のきれいなところで徐行運転。
みんなカメラを持って景色を撮影しています。
車窓からはこんな景色が。沖縄に鉄道があったらきっとこんな景色なんだろうと思います。

列車にカメラを向ける若い女性。
台湾ではよく見かけるのですが、若い女性の鉄道ファンがすごく多いのが特徴です。
日本の鉄道ファン諸君、台湾にチャンスあり!

折り返し点の台東駅は大混雑。日曜日の夕方ですから帰りの観光客でにぎわっています。
鉄道の駅が混んでいるのはよいですね。
昭和40年代の房総半島もこんな感じだったんですけどね。


台東から高雄への帰りは「復興号」。
快速列車にあたりますが、この復興号も台湾では少数派。ディーゼル機関車が引く客車列車です。
サボ、なんとなく初代ブルトレの20系客車っぽくないですか?


復興号の車内にて。朝から乗りっぱなしなのに皆さんお元気です。

18時30分。高雄に戻ってきました。
当然ですが列車が発車するまでは皆さんホームから離れません。



そして夕ご飯。
今夜も円卓を囲んで懇親会です。
皆様、本日もお疲れ様でした。