この間、カミさんとショッピングセンターに買い物に出かけた時のこと。
本屋さんの店頭に平たい箱が積み上げられていました。
見るとD51(デゴイチ)の絵が描いてある付録つきの本。
その本は毎週発行されるらしく、付録の金属部品を毎週毎週組み立てていくと、最終的にはD51の模型が完成するらしい。
第1号は機関車正面の丸い煙室扉にナンバープレート。
時計修理に使うような小さなピンセットやドライバーを使えばだれでも簡単に組み立てられる、と書いてあります。
本は1冊1980円と書いてあったような気がしますが、初回だけ980円だったかなあ。
「う~ん、これは良いなあ。」
と、心をくすぐられました。
内容的にもきれいな写真集になっていて、昨今の復活蒸機の写真ではなくて、40年近く前の現役時代の日本全国のD51の写真ですから、資料としても貴重な写真がたくさん出ています。
「これは貴重な写真だし、コレクションしても悪くない」
そう思って、手に取ってレジに向かおうと思ったところへカミさんが寄ってきました。
「凄いわねえ、何冊で完成するの?」
そう聞かれたので、あらためて書かれていることをよく読むと、全100冊とあります。
「100週間ということは2年か。」
私の性格ではそんなに長くかかるものを完成させられるわけはありません。
「で、いくらなの?」
「2号めからは1冊1980円だねえ。」
そう答えて我に返りました。
1980円で100冊ということは、約20万円にもなります。
「それだけあったら、ちゃんとした機関車の模型が買えるでしょう。」
カミさんがこういいます。
ちゃんとした機関車の模型とは、銀座の天賞堂にあるようなHOゲージの機関車のことです。
「自分で作るよりも、その方がずっと精密で、ちゃんとしてるんじゃないの?」
「それもそうだな。じゃあ、やめるか。」
こうして、私はレジへ向かうことなく本屋さんを後にしたのでありました。
ただし、天賞堂の模型を買ってよいという許可はいまだに出ていませんし、どうやらその話は我が家では完全に忘れ去られてしまったようです。
まあ、こんなもんですね。世の中。
そういう事だからうちにはHOゲージの模型は客車しかないのです。
客車の前にいるはずの機関車はいまだに想像の世界なのです。
想像の世界ということは、Nゲージも国吉に行っちゃったし、
「うちにも何もないがあります。」
ということでしょうね。
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