パンツが2枚

私の家では、私が出張の準備をしていると、家内が着替えを用意してくれます。
「今度は2泊?」
そう言って、家内はパンツを2枚、着替え袋に入れます。
私は血液型論者ではありませんが、こういう時は決まって「????」と思います。
A型の私がO型の家内に「????」と思う瞬間です。
「2泊の旅行でパンツが2枚じゃ足りないだろう。」
そう言いたいのですが、20代の時のビョーキの経験があるから、私は黙っています。
「2泊の予定だけど、たとえば帰りの飛行機が急激な天候悪化や機体のトラブルでどこかへ代替着陸して、もう1泊しなけらばならなくなるかもしれないのだから、必要枚数2枚に予備が1枚、合計3枚パンツは必要だ!」
本当はこう言いたいけれど、また、ビョーキが始まったと思われたくないし、O型の家内にしてみれば、「そんなことになったらコンビニで買えばいいじゃない」と言うにきまっているので、私は黙って、2枚のパンツをかばんに詰めて出かけるのです。
さて、現地に着きました。
しかし、どう考えても2泊でパンツが2枚では心細い。
かといって、コンビニでパンツを買ったとしたら、出張中に途中でパンツをはきかえなければならない特別なことでもあったのか、と思われて誤解を招く可能性がある。
あれこれ思案したのち、私が編み出した方法。
それは、1晩目にはパンツを換えないこと。
つまり、2日目はもう1日同じパンツを履くのです。
新しいパンツに履き替えると、何とも言えない爽快な気分になりますが、もう1日同じパンツを履くのも、けっこうパンツが体になじんでいて、しっくりくるので悪くない。
そう思いながら2日目が過ぎていきます。
そして3日目に(正確には2日目の晩にシャワーを浴びた後)、家内が2枚用意してくれた着替えのパンツのうちの1枚を履くわけです。
こうすれば、1枚予備のパンツの出来上がり。
帰りの飛行機がどんなに揺れても、エンジンが片方止まろうが、不時着しようが、私はニコニコしていられるのです。
どうです皆さん、素晴らしいアイデアでしょう。
こうして私は何事もなかったかのように帰宅します。
そして帰宅したら直ちに2日間はいて汚れた方のパンツを洗濯機に入れ、まだはいていない予備の1枚をタンスに戻すのです。
(家内の目があるときなどは、2枚とも洗濯機の中に入れてしまいます。)
なぜそうするか。
だって、1枚しか着替えていないことが家内にバレると、次回の出張から、2泊と言ってもパンツを1枚しか用意してくれなくなりますから。
それは、私にとっては何よりも恐ろしいことなのです。
やっぱり、まだ、今でも、十分、ビョーキだね。(W)
でも、地下鉄に乗るのにスコップを持って乗る必要性は感じなくなりましたよ。
バカだねー、この社長。
でも、人生、なんくるないさー。