株主総会

このところ全国的に株主総会のニュースが出ていますね。

えちごトキめき鉄道でも、昨日、株主総会がありました。

えちごトキめき鉄道は第3セクター鉄道ですから、株主というのは新潟県と沿線市、そして地元の一部企業という形なんですが、その他に会社設立時に一般から個人株主を募ったんです。
だから、数百人の一株株主がいらっしゃるのです。

ふつうの会社はこういうことはやりませんよね。
個人株主を増やすということはめんどくさいことが増えますから。

でも、えちごトキめき鉄道の設立時からの経営理念は「地域と共に」。
つまり、いろいろは人たちに参加していただくということが基本になっていると私は考えます。
会社設立時は私はいませんでしたが、いろいろな資料を見ると地域と共に、地域のために、地域の未来を作っていくんだということがよくわかります。

だから、個人株主をたくさん募ったのです。

そして、株主総会にはそういう個人の株主の方がいらして、いろいろな意見を言ってくれるのです。

もう一度言いますが、ふつうの会社はそういうのは嫌いだと思います。
ふつうの社長なら、イヤだと思います。
あちらこちらの大企業でも株主ともめているところがありますし、うちは赤字会社ですが、株主さんに利益をさし上げることができません。
だから、社長や会社の幹部は、そういう株主から意見を言われたり質問を受けたりすることは嫌がると思います。

でも、私は毎年株主総会が楽しみなんです。
いろいろな個人株主の方々にお会いして、皆様方がどのようなご意見をお持ちなのか。そういうお話をお聞きしたり、実際にお顔を見たりすることが楽しみなんです。

なので、昨日も10個以上の質問やご意見が出ましたが、1つを除いてすべて私がお答えいたしました。
(その1つというのは社員のプロパー化に関する計画の進捗状況でしたので、それは藤山専務がお答えしました。)

私が答えたのは事業計画や設備投資、大規模修繕に関する考え方、観光列車の運行や、YAHOOショップの商品構成、はてはオヤ31の購入の経緯などというのもありました。

で、今年も感じたのですが、株主の皆様方が大変好意的だということ。
皆さんトキ鉄の事業活動をよくご存じで、ふだんからトキ鉄の活動に注目していただいていらっしゃる。
そして多くの方から「トキ鉄は本当に一生懸命やっていますね。」と言っていただきました。

うれしかったです。

だって、赤字で配当できませんというのに、「引き続き頑張ってください。」と言っていただけるのですからね。

で、思ったんです。
トキ鉄の株主の方々は、投資目的で株主になられているわけではなくて、トキ鉄に出資することで地域に対して社会貢献ができると考えていただいているんだと。

写真にあるように今回の株主総会は第13回。
そんなに前から、社会貢献のために出資していただいているんですね。

令和の時代ですから、今なら地域貢献、社会貢献って誰でも思うと思います。
でも、かなり以前に地域貢献、社会貢献としてトキ鉄に出資していただいたということは、個人株主の皆様方はかなり意識高い系の方々ではないかと思います。

なんだかんだで私もローカル線14年になりますが、当時は「地域の足」がお題目で、「観光鉄道」なんて言おうものなら、「お前は税金を使って遊びをやるのか。」と言われた時代でしたから。

観光客が来ると地域にお金が落ちる。
何てことは田舎の議員さんは考えてもいませんでしたからね。

でも、その時代からローカル鉄道で地域貢献って思ってくれて、実際に出資してくれていたということは、かなり意識高い系ですよ。
だから、そういう株主の皆様にお会いして、直接お話ができる株主総会は、私にとって良い勉強の期間と考えていますから、楽しみだったのです。

とは言え、やっぱり株主総会は経営者にとっては株主総会は大仕事。

精神的にかなり疲れましたね。

大きな仕事が終わった感じです。

ちょっと緩急を付けたいと思います。

ご出席いただきました株主の皆様、どうもありがとうございました。